心理学科は就職できないといわれるのはなぜ?おすすめの就職先や有利・不利について解説

悩む女性

心理学科に在籍している人のなかには、これから就職活動を始めようと考えている人もいるでしょう。しかし、「心理学科は就職できない」なんて噂を聞いて不安になってしまっている人も少なくありません。

また、「就職するには大学院に進学して資格を取る方がいいの?」と進路に悩んでいる人もいるでしょう。

この記事では、心理学科は就職できないといわれる理由をわかりやすく解説します。合わせて、就職に有利・不利とされる理由やおすすめの就職先も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事のまとめ

  • 心理学科の卒業生でも大半は就職できる
  • 心理系専門職は狭き門
  • 心理学科卒業生は扱いとしては文系になる

〇当コンテンツは療育専門転職情報サイト・療育bizが発信している、療育業界で働く人にさまざまな療育関連情報をお届けするお役立ちコラムです。最新の情報やさまざまな知識を紹介しているので、療育業界でのお仕事にぜひお役立てください。
療育専門転職情報サイト
▶療育biz
療育業界の求人を探したい方はこちら
▶https://ryoikubiz.com/jobs

心理学科を卒業しても就職できないといわれるのはなぜ?

疑問のイメージ

心理学科を卒業したからといって、就職できないわけではありません。実際、大学全体の就職率は高い水準とされており、心理学科の卒業生も一般企業や公務員など、さまざまな進路を選択しています。

厚生労働省が発表した「令和7年3月大学等卒業者の就職状況」では、大学生の就職率は98.0%と報告されています。これらの数値は、心理学科に限定したものではありませんが、学科の垣根を越えて、多くの大学生が就職していることが伺えます。

一方で、心理学科を卒業しても就職できないといわれるのには、心理学という専門性の高い分野を選択した学生の感想でもあるでしょう。

本来希望していた分野とは異なる業種に就職したため、「就職できない」と表現している人も少なくありません。

心理学科の卒業生が就職できないといわれる理由

大学で心理学科を専攻した人の場合、以下の理由で「就職できない」といわれていることがあります。

理由1.希望している専門職ではないから

心理学科への進学を決めた人のなかには、カウンセラーや心理職員など、心理学の専門知識を活かして働きたいと考えている人が少なくありません。

しかし、心理学を学んだからといって、心理学の専門職として働けるとは限らないのです。

カウンセラー職の場合、就職の際に臨床心理士や公認心理師の資格を求められることが多いです。これらの資格を取得するには、大学の心理学科を卒業後、大学院に進学するなど定められた受験資格の要件を満たす必要があります。

また、心理系の公務員や家庭裁判所調査官などの心理職員を目指す場合も、採用試験や選考を突破する必要があるため、簡単な道とはいえないでしょう。

心理学科の卒業生が就職できないといわれる場合でも、実際は「一般企業への就職が難しい」というより、「希望する心理系専門職への就職が難しい」というニュアンスで表現されていることが多いのです。

理由2.大学院に進学する人が多いから

心理学科の卒業生のなかには、大学院への進学を予定している人も少なくありません。

心理学の専門家を目指す場合や資格の取得を考えた際、大学院に進学して専門的な知識や実践的な技術を身に付けることが、資格の取得や希望職への就職、キャリアアップなどにつながるためです。

大学院進学者は大学卒業後すぐに就職しないため、さまざまな調査で数値として反映されている就職率を参考に「心理学科は就職できない」と判断しないよう注意する必要があるでしょう。

心理学科の卒業生は就職に有利?不利?

天秤のイメージ

続いては、大学で心理学を専攻して学ぶことは就職に有利に働くのか、もしくは不利に働くのかについてもみていきましょう。

理系(実学系)に比べると不利と感じるケースも多い

理工系や情報系、医療系などの学部と比較すると、心理学科では大学で学んだ専門知識と就職先で求められる知識・技術の内容が直接的に結びつかないことがあります。

そのため、専門知識をそのまま業務生かせることが多い理系(実学系)に比べると、就職の際には不利と感じることもあるでしょう。

一方で、就職面接では自分をいかにアピールするのかをチェックされていることも多いです。心理学が実務に対して直接的に結びつかない場合でも、アピール方法を工夫することで一目置かれることもあります。

学部レベルの心理学では専門性をアピールしにくい

心理学科では、認知心理学や社会心理学、発達心理学、臨床心理学などさまざまな分野を学びます。

しかし、心理学の知識を持っていること自体が、企業の採用選考で大きな強みになるとは限りません。大学で専攻していたレベルでは、心理学分野の資格の取得も難しいですし、知識に対する専門性をアピールするのは難しいでしょう。

理系がさまざまな資格や経験をもとに専門性をアピールしやすい点に比べると、心理学だけを学びその他の資格などを取得してこなかった場合、就職で不利に働く可能性は否定できません。

大学院を卒業して資格を取れば有利

ここまで、大学で心理学科を卒業した人が不利になるパターンを紹介しましたが、大学院に進学し資格を取得した後であれば、前提が覆され就職では有利に働く可能性が高いでしょう。

臨床心理士や公認心理師の資格を取得すれば、医療機関、教育機関、福祉施設、相談機関など、さまざまな現場で専門職に就職できる可能性が高いです。もちろん、職場によって採用枠が定められているため、必ずしも希望職に就けるわけではありません。それでも、資格を所持していることで、高い専門性をアピールすることができ、就職活動において有利に働くと考えられるでしょう。

心理学科の卒業生の主な就職先

進路のイメージ

心理学科の卒業生は、幅広い分野で活躍できます。

どの進路を選ぶのかによって、必要な資格や採用試験、大学院進学の必要性などは異なるでしょう。自分がどのような仕事をしたいのかを考えながら、選択肢を整理してみましょう。

一般企業

心理学科を卒業した人のなかには、一般企業に就職している人も多いです。

人事

人事は、採用活動や社員研修、人材育成、労務管理などを担当する部署です。

心理学で学ぶ対人関係や集団心理、動機付けなどの知識は、採用面接や社員の育成、職場環境の改善を考える際に役立つ可能性もあります。

基本的に新入社員を募集する部署ではありませんが、心理学の知識があることをアピールすることで「将来の人事部候補」としての就職を狙える可能性もあるでしょう。

営業

営業は、顧客のニーズを把握し、自社の商品やサービスを提案する仕事です。

心理学で学ぶコミュニケーションや意思決定、対人関係などの知識は、顧客の話を聞き、課題や要望を整理する際に役立つ可能性があります。営業職で求められる取引先との信頼関係の構築においても、心理学の知識や技術は効果的に働くことでしょう。

一方で、営業ではシビアな売り上げ目標や顧客対応などの責任も伴います。仕事内容や評価制度を確認し、自分に合う働き方かを考えることが大切です。

マーケティング

マーケティングは、消費者のニーズを調査し、商品やサービスの企画、販売戦略の立案などを行う部署です。

心理学で学ぶ消費者心理や集団心理の知識は、マーケティング業務で役に立つ可能性が高いでしょう。アンケート調査やインタビューから顧客のニーズを読み取り、購買行動を分析するなど、心理学の知識を応用できるシーンが多々あります。

一方で、マーケティング職には分析した消費者行動や購買行動を商品・サービス購買につなげるための企画力も求められます。
一般事務
一般事務では、書類作成やデータ入力、電話・メール対応、スケジュール管理などを担当します。

心理学の知識を直接使う場面は限られますが、相手に配慮したコミュニケーションや、情報を整理して物事を進める力などを活かせる可能性があるでしょう。

公務員

心理学科の卒業生のなかには、国家公務員や地方公務員を目指す人も少なくありません。

一般行政職

一般行政職は、市役所や区役所、都道府県庁などで、住民サービスや行政施策の企画・運営に携わる仕事です。

業務内容は多岐にわたり、福祉、子育て支援、教育、防災、地域振興、税務などもあります。

心理学科で学んだ対人理解や社会心理学の知識は、住民の相談対応や地域課題の把握、施策の検討などの際に役立つ可能性があるでしょう。一般行政職では、心理学の専門知識を直接使う仕事ばかりではありませんが、幅広い分野で住民の生活を支える仕事ができます。

公務員試験は、教養試験や専門試験、論文、面接など、自治体や試験区分によって異なる選考が行われるため、十分な対策をして試験に挑みましょう。

教員

心理学科で学んだ知識を、学校教育の分野で活かす道もあります。

子どもたちの気持ちを理解したり、学習や生活上の困りごとに配慮したりする際に、心理学の知識が役立つシーンもあるでしょう。ただし、心理学科を卒業するだけでは教員免許を取得できません。教員になるには、原則として教員免許状を取得し、採用試験など所定の選考を受ける必要があります。

また、学校にはスクールカウンセラーなど、児童の心理的な支援に関わる仕事もありますが、これは教員とは異なる職種です。募集要件や必要な資格・経験などを確認しましょう。

心理専門職員

心理学科で学んだ知識を専門的に活かしたい人は、心理系専門職員を目指すのもおすすめです。

自治体の心理職員

自治体の心理職員は、子どもや保護者、地域住民などの相談に応じ、心理的な側面から支援を提供します。

勤務先や担当業務によってことなりますが、児童相談所や福祉関連の部署などで、心理検査や相談支援、関係機関との連携に携わる業務などを担います。

自治体によって採用区分や応募資格は異なり、心理学に関する専門科目や大学院での学習、資格などが求められる場合もあります。必ずしもすべての自治体で同じ条件が設定されているわけではないので、採用情報をよく確認しましょう。

家庭裁判所調査官

家庭裁判所調査官は、家庭裁判所で扱う少年事件や家事事件などについて、当事者や関係者から話を聞き、家庭環境や生活状況を調査する仕事です。

心理学科で学ぶ発達心理学や社会心理学などの知識は、こうした業務を理解するうえで役立つ可能性があります。

ただし、家庭裁判所調査官は、裁判所が実施する採用試験に合格する必要があり、試験区分や応募資格、試験科目なども自治体によって異なります。狭き門ではありますが、心理学を活かして人の生活や社会に関わる仕事をしたい人にとって、選択肢のひとつとなるでしょう。

子どもに関わる仕事をしたいなら療育業界もおすすめ

心理学科の卒業生で、子どもに関わる仕事をしたい人や発達心理学の知識を活かせる仕事をしたい人には、療育業界がおすすめです。

療育とは、発達に特性のある子どもに対して、ひとりひとりの発達や困りごとに応じた支援を提供することです。大学生活のなかで心理学を専攻するにあたって、療育関係の施設に実習に行った経験がある人もいるのではないでしょうか。

心理学科で学ぶ発達心理学や行動、対人関係の知識は、子どもの特性を理解することや、個々に合った支援を考える際に大きな力となります。

また、療育業界のなかでもさまざまな職種を目指すことができるため、自分に合った職種へのキャリアアップも考えるのがよいでしょう。

児童指導員を目指す

児童指導員は、児童発達支援や放課後等デイサービス、児童福祉施設などで子どもの生活や発達を支援する仕事です。

一般的な大学で心理学科を卒業しているのであれば、児童指導員任用資格の条件を満たしているため、資格所持者として配置が可能です。

児童指導員は、心理学の知識を子どもとの日々の関わりに活かせる仕事です。子どもの行動の背景を考えたり、気持ちを汲み取ったりしながら、一人ひとりに合った支援をしたい人に向いている仕事と言えるでしょう。

心理担当職員を目指せる

療育業界では、心理学の専門知識を活かして子どもの支援に携わる心理担当職員の仕事もあります。

子どもの心理面や行動の特徴を把握、心理学的な知見を持って支援方法を検討するのが心理専門職員の仕事です。保護者や支援スタッフに対しても、心理学の専門職として助言し、子どもたちによりよい環境や支援を提供することを目的としています。

ただし、心理担当職員として働くための条件は、事業所のサービス職種や配置基準、採用条件などによって異なります。公認心理師や臨床心理士などの資格を必須条件としているケースもあるため、事前に応募要件を確認しましょう。

児発管(児童発達支援管理責任者)を目指せる

児童発達支援管理責任者(以下:児発管)は、障害児福祉における管理職です。

個別支援計画を作成し、子どもや保護者にアセスメントし、適切な支援を提供する障害児福祉のエキスパート職とも言えます。

心理学科を卒業したからといって児発管になれるわけではありませんが、まずは児童指導員として児童発達支援事業所や放課後等デイサービスに勤め、所定の職務経験を積み、研修を受講することで児発管になれます。

子どもへの直接支援だけでなく、支援計画の作成やチーム全体の支援の質を高める仕事に興味がある人は、長期的なキャリアのひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

心理学科を卒業後に療育業界を目指すなら療育bizにおまかせ

心理学科を卒業した後の進路には、一般企業や公務員、心理系専門職員など、さまざまな選択肢があります。

そのなかでも、心理学の専門知識を活かして子どもと関わる仕事に就きたいという人は、療育業界も選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。
児童発達支援や放課後等デイサービスでは、子どもの発達や特性を理解し、一人ひとりに合った支援を行うことが求められます。心理学科で学んだ知識を、子どもとの日々の関わりや保護者への支援に活かせる可能性があります。

まずは無料で転職相談