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放課後等デイサービスの人員配置を徹底解説!新基準の基本配置を分かりやすく紹介

放課後等デイサービスにおける人員配置基準の必要性とは

発達障害をはじめとする心身障害児の支援を行う障害者通所施設では、適切な支援を行うために人員の配置基準が定められています。

また、福祉サービスとして自治体の指定を受ける障害者通所施設では、単位に対して自治体によって設定される地域区分を乗算した報酬が算定されます。

報酬には、基準以上の人員配置をすることで得られる加算や、配置基準に満たない場合に受ける減算などもあります。

放課後デイサービスの運営にもお金がかかります。より良い支援を、適切な人員配置で行い、配置に応じた報酬加算などを受け事業としても良い結果を出せるよう、事業責任者は人員配置と報酬について深く理解しておく必要があります。

放課後等デイサービスにおける人員配置基準

放課後等デイサービスには、一般的にみられる放課後等デイサービスと、重度心身障害を持つ子ども達を対象にした重症心身障碍児放課後等デイサービスの2種類があります。

最初に、それぞれの基本的な人員配置基準を紹介していきます。

一般的な放課後等デイサービス

医療ケアを行わないケースの多い一般的な放課後等デイサービスの場合、管理者、児童発達支援管理責任者、児童指導員または保育士の3分野の配置が必須となります。

また、医療ケアを行う際には看護師、機能訓練を行う際には理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員などの配置も求められます。

各分野の人員配置に必要な職務形態や配置人数についてみていきましょう。

管理者

管理者の配置基準は以下のとおりです。
  • 1名以上の配置が必要
  • 常勤・非常勤は問わない
  • 所定の資格を有している場合は兼任可能
管理者は特に必要な資格などもありません。職員の管理や事業所の指揮など、全体の管理業務を担う役職です。

児童発達支援管理責任者

児童発達支援管理責任者の配置基準は以下のとおりです。
  • 1名以上
  • 常勤
  • 専任
児童発達支援管理責任者は、所定の条件を満たしたうえで自治体の行う研修を受けることで得られる国家資格です。支援計画の作成や従事者の指導などを行う役職です。

児童発達支援管理責任者の資格を得るために必要な研修に「基礎研修」と「実践研修」があり、2つの研修を全て受ける必要があります。しかし、基礎研修を終えた段階から「みなし児童発達支援管理責任者」として従事できます。

ここで注意したいのは、みなし児童発達支援管理責任者は配置基準を満たせないという点です。みなし発達支援管理責任者はあくまで2人目の児童発達支援管理責任者になります。みなし発達支援管理責任者が実践研修を終える前に、1人目の児童発達支援管理責任者が退職してしまうと、人員配置を満たせていないことになるため注意しましょう。

また、児童発達支援管理責任者は5年ごとに更新研修の受講が必要です。資格を更新しないまま、気付かないうちに児童発達支援管理責任者の配置基準を下回ってしまっている場合もあるため更新時期は事業全体で把握しておくとよいでしょう。

児童指導員または保育士

児童指導員または保育士の配置基準は以下のとおりです。
  • 2名以上(利用者数によって変動する)
  • 営業時間を通じて配置
  • 兼任可能
児童指導員は所定の条件を満たすことで受けられる任用資格、保育士は国家資格が必要です。

また、配置の際には利用定員10名に対して2名以上必要です。利用定員が10名以上の場合の配置数については後程紹介します。

サービス提供時間中はどの時間帯であっても基準を下回らないよう配置する必要があるため注意しましょう。

看護師

看護師の配置基準は以下のとおりです。
  • 医療ケアを必要とする利用者の居る場合のみ配置
  • 常任要件なし
看護師は国家資格として、看護師、准看護師、保健師、助産師のいずれかの資格が必要です。

一般的な放課後等デイサービスで、医療的ケアを必要とする利用者がいない場合には、看護師の配置は必要ありません。

また、医療的ケアを必要とする利用者がいる場合には、対象の利用者が医療的ケアを受ける時のみ配置が必要です。

機能訓練担当職員

機能訓練担当職員の配置基準は以下のとおりです。
  • 機能訓練を必要とする利用者の居る場合のみ配置
  • 常任要件なし
機能訓練担当者は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の国家資格所持者と、心理指導担当職員(公認心理士の資格所持者や所定の要件を満たす職員)が対象となります。

看護師と同じく、機能訓練を行う場合にのみ配置していればよいため常任要件はありません。

重症心身障碍児放課後等デイサービスの場合

心身に重い障害を持つ利用者の受け入れを行う、重症心身障害児放課後等デイサービスでは配置基準が多少異なります。

管理者・児童発達支援管理責任者

管理者及び児童発達支援管理責任者の配置基準に関しては、一般の放課後等デイサービスと同様です。
管理者
・1名以上の配置が必要
・常勤・非常勤は問わない
・所定の資格を有している場合は兼任可能
児童発達支援管理責任者
・1名以上の配置が必要
・常勤
・専任

児童指導員または保育士

重症心身障碍児放課後等デイサービスにおける、児童指導員または保育士の配置基準は以下のとおりです。
  • 1名以上
  • 営業時間を通じて配置
児童指導員または保育士の配置は1名以上必要です。一般的な放課後等デイサービスと同じく営業時間を通じての配置が必要となります。

看護師

重症心身障碍児放課後等デイサービスにおける、看護師の配置基準は以下のとおりです。
  • 1名以上
  • 営業時間を通じて配置
医療的ケアを必要とするケースが多い重症心身障碍児放課後等デイサービスでは、看護師の配置が必要です。

機能訓練担当職員

重症心身障碍児放課後等デイサービスにおける、機能訓練担当職員の配置基準は以下のとおりです。
  • 1名以上
  • 機能訓練を必要とする利用者の居る場合のみ配置
  • 常任要件なし
重症心身障碍児放課後等デイサービスでは、機能訓練担当職員の配置が求められます。ただし、機能訓練を行う時間帯のみの配置でも構いません。

定員数によって変わる児童指導員または保育士の配置要件

前項で紹介したように、一般的な放課後等デイサービスにおいて児童指導員または保育士は、施設に2名以上の配置が必要です。しかし、これは利用者定員数10名に対する配置基準なので、利用定員が10名を超える場合には人数に応じた人員配置が求められます。

定員数に応じた児童指導員または保育士の配置基準は以下のとおりです。
  • 利用定員1名以上10名未満…2名以上
  • 利用定員11名以上15名未満…3名以上
  • 利用定員16名以上20名未満…4名以上
  • 利用定員21名以上25名未満…5名以上
また、看護職員や機能訓練担当職員は児童指導員との兼任が可能です。しかし、看護師や機能訓練担当職員を児童指導員に含める場合、配置基準の半数は児童指導員または保育士である必要があります。
  • 利用定員1名以上10名未満…児童指導員および保育士計2名で配置基準を満たすことができる
  • 利用定員11名以上15名未満…児童指導員および保育士計2名+看護師や看護師や機能訓練担当職員の1名でも配置基準を満たすことができる
  • 利用定員16名以上20名未満…児童指導員および保育士計2名+看護師や看護師や機能訓練担当職員の2名でも配置基準を満たすことができる
  • 利用定員21名以上25名未満…児童指導員および保育士計3名+看護師や看護師や機能訓練担当職員の2名でも配置基準を満たすことができる
ただし、看護師や機能訓練担当職員を児童指導員として配置している場合、報酬換算の際に児童指導員配置等加配加算と特別支援加算を重複して算定できないため注意してください。

「営業を通じて配置」の概要とは

営業を通じて配置を求められる人員に関しては、営業時間の開始から終了まで最低1名の配置が求められます。

基準人員内の1人は常勤である必要があり、2人目以降は非常勤でも問題ありません。ただし、営業時間を通じて2人以上の配置が必要な場合は、サービス提供時間帯に配置基準を下回らないよう注意が必要です。

このとき注意するのが、あくまで営業時間内に常勤しつつサービス提供時間帯に人員配置要件を満たす必要があるという点です。特に、2人目の配置を非常勤のスタッフ複数名で満たす場合、配置2人目の実働時間の合計が営業時間帯を通じて配置する際の実働時間と同じであれば基準を満たしていることになります。

3つの配置例で「営業を通じて配置」の概要を解説します。

常勤として配置する場合

「営業を通じて配置」の配置例
2名が、常勤する場合どちらも実働時間が8時間となるため、それぞれに配置1人目、2人目の基準を満たすことができます。しかし、サービス提供時間に配置人数を満たすためには、サービス提供時間開始前までに各休憩時間を確保しておく必要があるため注意しましょう。サービス提供時間内に休憩を取ってしまうと、配置基準を下回ってしまいます。

1名を常勤・2名を非常勤として配置する場合【パターン1】

「営業を通じて配置」の配置例その2
常勤1名・非常勤2名で配置基準を満たす場合、非常勤2人の合計実働時間が常勤である配置1人目の実働時間と同等であれば問題ありません。(もちろん、配置2人目が2時間、配置3人目が6時間などでも問題ありません。合計実働時間が8時間を満たすことが重要です。)

1名を常勤・2名を非常勤として配置する場合【パターン2】

「営業を通じて配置」の配置例その3
人員配置は必ずしも営業時間中満遍なく配置しなければいけないという訳ではありません。あくまで、サービス提供時間内に配置基準を満たすことが重要なので、上記のような配置でも問題ありません。

この例では17時18時と配置が3名になっていますが、配置2人目と配置3人目を合わせて配置基準を満たすことになるため、限定的に3名以上配置されても加配加算等の対象とはなりません。

配置基準に満たない場合の対処方法

急な退職やスタッフの体調不良などによって、配置基準に満たない状況に陥ることもあるでしょう。特に、近年コロナウイルスの大流行により、感染したスタッフが長期間の療養のため人員配置に不備が出るケースも多く聞かれます。

他のスタッフなどで対応できない場合や、やむを得ず人員配置を下回ってしまう場合には人員配置欠如減算を行います。

また、退職などで長期間基準を下回る状態が続き、行政からの改善指導に従えないとなると、指定取り消し処分となり営業できなくなってしまうこともあるため注意が必要です。

退職時の取り決め(退職希望の〇ヶ月前に申告する等)や、普段から十分な人員確保に努めることが人員配置における運営者の課題と言えます。

適切な人員配置でより良い支援サービスを提供しよう

放課後等デイサービスにおける人員配置の目的は、障害児に対してより質のよい支援を行うことと言えます。とは言え、人材確保はどの業界でも運営者の悩みの種となっているのが現状です。

適切なタイミングでの求人活動やスタッフが長く働きたいと思える職場作りなど、運営者や管理者は十分な人材を確保し続けられるようにしなければなりません。

余裕をもった人員配置で、より良い支援を提供できるよう考えてみてください。
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