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休憩・送迎・有休時はどうする?放課後等デイサービスの人員配置について疑問を解消しよう

放課後等デイサービスの基本的な人員配置

一般的な放課後等デイサービスの人員配置基準は以下のとおりに定められています。
放課後等デイサービスの人員配置表
人員配置に不備があると、行政から指導を受けることがある他、改善の余地が見られない場合は指定取り消し処分となる可能性もあります。また、一時的な人員不足に関しても、適切な減算による報酬算定を行う必要があるため、放課後等デイサービスの運営・管理者は人員配置基準について理解を深めておく必要があるでしょう。

放課後等デイサービスの人員配置でよくある疑問

さまざまなルールがある放課後等デイサービスの人員配置。なかには「こんなケースでは、どのように対応すれば良いんだろう?」と悩む人もいるのではないでしょうか。

続いては、放課後等デイサービスの人員配置について、よくある疑問を紹介していきます。基準を満たし、適切なサービスを提供できるよう放課後等デイサービスの人員配置の疑問を解消していきましょう。

児童指導員と保育士はそれぞれ配置が必要?

人員配置基準にある「児童指導員または保育士」とは、児童指導員・保育士どちらでもよいので、いずれかの資格所持者を基準通り配置する必要があります。

しかし、基準以上に配置した際には、児童指導員と保育士で加算の要件が異なるため、報酬算定の際には注意しましょう。加算については後程紹介します。

障害福祉サービス経験者は人員に含まれる?

2020年の法改正以前は、障害福祉サービス経験者(障害福祉の分野において2年以上のサービス提供に関する実務経験を持つ人)を人員として配置することができました。

しかし、法改正によって障害福祉サービス経験者は人員に含まれないことになり現法では以下のように取り決められています。
〇2021年3月までに開所している事業所の場合
→2023年3月まで配置可能。2023年4月以降は配置不可

〇2021年4月以降に開所している事業所→配置不可
2023年3月までは残りわずかです。現在、障害福祉サービス経験者を配置している事業所は特に注意してください。

兼任が可能な役職・不可の役職は?

放課後等デイサービスにおける役職のなかには、複数を兼任できるものもあります。兼任できるもの、できないものを理解して適正な人員配置をしましょう。

【可能】管理者

管理者は児童発達支援管理責任者や児童指導員などとの兼任が可能です。ただし、管理者としての職務もあるため、ある程度人員に余裕が出ているなら専任とする方がよいでしょう。

特に開所したてで人材確保や利用者の数が安定していない内は、管理者と児童発達支援管理責任者を兼任するケースが多く見られます。

【不可】児童発達支援管理責任者

児童発達支援管理責任者は、専任での配置が求められています。ただし、人員としてカウントしないのであれば、現場で発達支援の介助をするなどの行為は可能です。

【可能】児童指導員または保育士

必要な資格を所持しているのであれば、児童指導員や保育士は兼任が認められています。管理者、看護師、機能訓練担当職員などと兼任することがあるでしょう。

ただし、管理者、看護師、機能訓練担当職員などを児童指導員として配置する際に注意が必要です。放課後デイサービスでは、半数以上は必ず児童指導員または保育士を配置する必要があります。

必ず全体の半数は、本来の児童指導員または保育士を配置するようにしましょう。

有給休暇取得時の人員配置はどうなる?

常勤の従業員が有給休暇を取得する際、非常勤の従業員によって配置基準が満たされていれば問題無い、という自治体が多いです。しかし、自治体によって規定が違うこともあるので、事業所のある自治体の見解をよく確認しておきましょう。

送迎時の人員配置はどうなる?

送迎時であっても、人員配置基準を満たす必要があります。送迎スタッフの配置も含め、人員配置基準を満たせるようにしてください。

やむを得ず定員以上の受け入れをする場合の人員配置について

基本的に、放課後等デイサービスでは定員以上の利用者を受け入れできません。しかし、災害や虐待などやむを得ない場合に限り、定員以上の受け入れが可能です。

ただし、定員以上の受け入れを行う際にも、規定に基づいた人員の配置が必要です。やむを得ない状況だとしても、人員配置基準を下回れば減算対象となるため注意してください。

放課後等デイサービスの人員配置に関する加算

放課後等デイサービスでは人員配置によって報酬算定における加算を受けられる場合があります。続いては、人員配置に関する加算項目についてみていきましょう。

児童指導員等加配加算

児童指導員等加配加算は、基準以上の専門的な知識を持つスタッフを配置し支援サービスの向上に取り組んでいる放課後等デイサービスを評価する加算です。

児童指導員等加配加算は、「理学療法士等」「児童指導員等」「その他従業員」などの定めらえた規定にあてはまる従業員を常勤換算で1人以上配置している際に対象となります。

理学療法士等に含まれる従業者とは

児童指導員等加配加算における「理学療法士等」に当てはまるのは以下の条件を満たす従業者です。
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 保育士
  • 学校教育法の規定による大学(短期大学を除く。)若しくは大学院において、心理学を専修する学科、研究科若しくはこれに相当する課程を修めて卒業した者であって、個人及び集団心理療法の技術を有するもの又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者
  • 厚生労働省組織規則第625条に規定する国立障害者リハビリテーションセンターの学院に置かれる視覚障害学科(国立障害者リハビリテーションセンター学院養成訓練規程第4条第1項に規定する視覚障害学科をいう。)の教科を履修した者又はこれに準ずる視覚障害者の生活訓練を専門とする技術者の養成を行う研修を修了した者

児童指導員等に含まれる従業者とは

児童指導員等加配加算における「児童指導員等」に当てはまるのは以下の条件を満たす従業者です。
  • 児童指導員
  • 手話通訳士
  • 手話通訳者
  • 強度行動障害支援者要請研修の修了者

その他の従業者とは

児童指導員等加配加算において、「理学療法士等」「児童指導員等」に含まれない従業員を、「その他従業者」として加算対象とします。

児童指導員等加配加算の注意点

児童指導員等加配加算は、配置する従業者によって加算が異なり、一般的な放課後等デイサービスで定員10名の場合、以下が加算されます。
  • 理学療法士等→187単位/日
  • 児童指導員等→123単位/日
  • その他従業者→90単位/日
児童指導員等加配加算は、常勤換算を報酬区分が違う従業者同士で1名以上を満たす場合、報酬区分が低い方が加算対象となるため注意してください。
〇非常勤の児童指導員と非常勤の福祉サービス経験者で常勤換算1名分を満たす場合
→その他従業者加算(90単位/日)

〇非常勤の児童指導員と非常勤の保育士で常勤換算1名分を満たす場合
→児童指導員等加算(123単位/日)

〇非常勤の保育士と非常勤の理学療法士で常勤換算1名分を満たす場合
→理学療法士等加算(187単位/日)
基準以上の人員配置をする場合、非常勤の従業者で通勤換算1名分を満たすのであれば、同じ区分となるスタッフを組み合わせると加算が高くなることが分かりますね。

特別支援加算

特別支援加算とは、専門職員を配置し利用者の特性や障害に寄り添った療育を行っている放課後等デイサービスを評価する加算です。専門職員の配置はもちろん、心理指導のための部屋や設備の設置なども加算を受けるためには必要となります。

特別支援加算の対象となるのは以下の資格を有する従業員です。
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 心理指導担当職員
  • 看護職員
ただし、特別支援加算は児童指導員等加配加算と併用して算定できないため注意しましょう。

専門的支援加算

専門的支援加算とは、人員配置基準に基づく配置人数に加え、専門的な支援が可能な職員を配置していることを評価する加算です。専門職員は常勤換算で配置する必要があり、以下の専門職員を1名以上配置することで加算対象となります。
  • 作業療法士
  • 理学療法士
  • 言語聴覚士
  • 心理指導担当職員
  • 国立障害者リハビリテーションセンター資格障害学科履修者
専門的支援加算は、施設の定員が少ないほど加算内容が大きくなるのが特徴です。これは、定員が少ないほど専門性の高い支援が行き届くからです。

ちなみに、専門的支援加算と特別支援加算は併用することができないので事業者は算定の際に十分注意してください。

福祉専門職員配置等加算

福祉専門職員配置等加算は、福祉専門職員を配置し福祉サービスとしての質の向上に取り組んでいる放課後等デイサービスを評価する加算です。対象は、児童指導員または障害福祉サービス経験者として配置されている従業者の内、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理士の資格所持者となります。該当職員が全体を占める割合に対して「福祉専門職員等加算(Ⅰ)」「福祉専門職員等加算(Ⅱ)」「福祉専門職員等加算(Ⅲ)」に分類されます。

看護職員加配加算

看護職員加配加算は、重症心身障害児を対象とした放課後等デイサービスにおいて、医療ケアを必要とする利用者に必要な環境を整えていることを評価する加算です。対象は、看護師、准看護師、保健師、助産師などの資格所持者となり、配置している人数や医療的ケアスコアの点数などによって「看護職員加配加算(Ⅰ)」「看護職員加配加算(Ⅱ)」に分類されます。

放課後等デイサービスの人員配置に関する減算

適切な人員配置に加え、より良いサービスを提供するために基準以上の配置を行うことで報酬算定においての加算が受けられます。一方、規定を満たさない場合には減算対象となることも忘れてはいけません。

続いては、放課後等デイサービスの人員配置に関する減算について紹介していきます。

児童発達支援管理責任者欠如減算

児童発達支援管理責任者の配置基準を満たしていない場合、児童発達支援管理責任者欠如減算の対象となります。

減算の内容は以下のとおりです。
〇減算期間
人員欠如した月の翌々月1日から人員欠如が解消されるに至った月の末日まで

〇減算割合
減算が適用される月から4ヶ月目まで
利用者全員について所定単位数の70%を算定(30%を減算とする)
減算が適用される月から連続して5ヵ月以上の月
利用者全員について所定単位の50%を算定(50%を減算とする)
児童発達支援管理責任者資格を取得するには長い実務経験や研修の受講が必要なため、資格所持者を探すのが大変なケースも多いです。急な退職などにも対応できるよう余裕を持った人材確保に勤めましょう。

サービス提供職員欠如減算

児童指導員や保育士などのサービス提供職員の配置が基準を満たさない場合、サービス提供職員欠如減算の対象となります。またどの程度人員が足りていないのかによっても減算期間が異なります。

減算の内容を以下のとおりです。
〇減算期間
1割の範囲内で欠如した場合
→減算した月の翌々月1月から解消されるに至った月の末日まで
1割を超えて欠如した場合
→減算した月の翌月1月から解消されるに至った月の末日まで

〇減算割合
減算適用1日目から2カ月目まで
→利用者全員について所定単位数の70%を算定(30%減算)
減算適用3カ月目以降
→利用者全員について所定単位数の50%を算定(50%減算)

人員配置の疑問を解消して理解を深めよう

放課後等デイサービスの人員配置に関する疑問や加算・減算について解説してきました。放課後等デイサービスの人員配置に関しては複雑な部分も多いですが、知らない内に基準を満たしていない状態になるのは避けなければなりません。

今回紹介したよくある疑問の回答例も参考に、適切な人員配置および十分な配置によるサービス提供を心掛けてみてください。

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