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サービス管理責任者とは?資格の概要を分かりやすく解説

ホワイトボードで解説している女性
障害福祉業界で働いている人なら聞き馴染みのあるサービス管理責任者の資格ですが、世間の認知度はそう高くありません。実際に、障害福祉業界に勤めていても「結局サービス管理責任者の資格を取ったら何ができるの?」という人も少なくないでしょう。

この記事では、サービス管理責任者がどのような資格なのか、簡単に概要を解説していきます。

サービス管理責任者(サビ管)とは

サービス管理責任者(サビ管)とは、障害福祉サービスで活躍する資格のひとつです。最初に、サービス管理責任者がどのような資格なのか紹介していきます。

厚生労働省の定めるサービス管理責任者の概要

厚生労働省ではサービス管理責任者の概要を以下としています。
”・障害者総合支援法においては、サービスの質の向上を図る観点から、新たにサービス事業所ごとに、サービス管理責任者の配置を義務付け。
・サービス管理責任者は以下の役割を担う。
1. 個々のサービス利用者のアセスメントや個別支援計画の作成、定期的な評価などの一連のサービス提供プロセスに関する責任
2. 他のサービス提供職員に対する指導的役割
引用:厚生労働省「障害福祉サービスにおける サービス管理責任者について」

サービス管理責任者の要件

サービス管理責任者の資格を取得するためには、規定の実務経験と主に自治体が行う研修を受講する必要があります。

実務経験

サービス管理責任者資格の要件を満たす実務経験は大きく分けて2つあります。
相談支援業務…対象となる施設にて行う相談支援による実務経験
直接支援業務…対象となる施設にて行う直接支援による実務経験
上記の実務経験のほか、これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務による実務経験もサービス管理責任者資格の要件を満たすとされます。

また、所定の国家資格を有することで、直接支援業務の実務経験年数が短縮されることもあります。

研修

実務経験の要件を満たし、主に自治体が行う基礎研修および実践研修を完了することでサービス管理責任者資格が正式に交付されます。

基礎研修は、実務経験の要件を満たす2年前から受講できます。
また、実践研修は過去5年間の内、2年間の相談支援もしくは直接支援業務の実務経験がある人のみ受講が可能です。

サービス管理責任者資格の更新

サービス管理責任者は、資格取得後5年ごとに更新研修を受講し、資格の更新が義務付けられています。

定められた期間内に更新研修を受講せず資格を更新できなかった場合、年度末には資格が失効してしまうため注意しましょう。

尚、資格が失効してしまった者を再度サービス管理責任者として配置するには、実践研修の再受講が必要です。

みなしサービス管理責任者とは

障害福祉業界に勤めている人のなかには、「みなしサービス管理責任者」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

みなしサービス管理責任者とは、2019年に行われた障害福祉におけるサービス管理責任者の研修体制見直しにおける例外的な措置のひとつです。

サービス管理責任者の資格取得を希望している人は、以下の要件を満たすことでみなしサービス言管理責任者として従事することが認められます。
  • 資格要件に必要な実務経験に加え、さらに2年間の実務経験を満たして基礎研修の受講を完了したもの
  • 2019年から2021年に基礎研修の受講を完了したもの
みなしサービス管理責任者になると、基礎研修の終了日から3年間サービス管理責任者として従事することができます。

サービス管理責任者の仕事

サービス管理責任者は障害福祉施設への配置が義務付けられており、重要な業務を担う資格職です。続いては、サービス管理責任者の仕事内容について紹介します。

個別支援計画の作成・管理

個別支援計画とは、障害福祉施設を利用するに当たり、利用者や親族のニーズおよび現状に必要な支援を提供するために作成する計画です。
個別支援計画は利用者や家族、他スタッフなど、支援に関わるさまざまな人が関わって作成します。

そこで、利用者や家族との面談などを通してニーズや現状に必要な支援を把握し原案を作成、関係者とのブラッシュアップを行い、個別支援計画を作成するのがサービス管理責任者の仕事です。

個別支援計画書の作成は、サービス管理責任者およびみなしサービス管理責任者にしか作成することができません。

サービス提供者の管理

障害者福祉施設では、さまざまなスタッフが従事しています。スタッフの統括として、指導や助言などを行い、従業員を管理することもサービス管理責任者の仕事内容のひとつです。

適材適所への配置や、必要な講習や勉強会の手配、ミスが起きないよう業務のフォローなど、チームのマネジメント業といってもよいでしょう。

他機関との連携役

障害者福祉は、役所や病院などさまざまな機関との連携が求められるケースが多いです。そこで、機関の垣根を超えて連携役を担うのがサービス管理責任者の役割と言えます。

個別支援計画に基づいて、利用者のニーズを満たす支援を行うためには、事業所や施設内だけでの対処が難しい場合もあるでしょう。サービス管理責任者は障害福祉に関する幅広い知識を持ち、支援計画をスムーズに行えるよう他の機関との橋渡し役を担います。

サービス管理責任者と児童発達支援管理責任者(児発管)の違い

サービス管理責任者とよく似た資格で、児童発達支援管理責任者という資格があります。サービス管理責任者と児童発達支援管理責任者の違いは以下のとおりです。
サービス管理責任者
→利用対象者…18歳以上
→活躍する主な施設…介護施設、地域生活支援施設、就労支援施設など
児童発達支援管理責任者
→利用対象者…18歳以下
→活躍する主な施設…療育センター、児童発達支援事業所、放課後等デイサービスなど
業務内容の傾向は同じで、対象年齢が大きな違いと言えます。児童発達支援管理責任者もサービス管理責任者と同じく、実務経験と研修の受講を完了することで資格が取得できます。要件も通じている部分が多いため、サービス管理責任者は療育業界などに転職する場合、児童発達支援管理責任者として勤めることも可能です。

サービス管理責任者が活躍する就職先

サービス管理責任者は障害福祉施設への配置が義務付けられており、対象となる施設として「介護施設」「地域生活支援施設」「就労支援施設」などが挙げられます。

それぞれの特徴や違いを簡単にみていきましょう。

介護施設

介護施設には療養介護や生活介護があり、介護を必要とする人に対してさまざまな支援を行います。

療養介護の場合は、医療機関で入院生活を送るうえでのフォローや、身体の機能回復訓練、療養管理などを担います。また、生活介護の場合は、利用者が日常生活を送れるよう支援を行うのが主な業務です。

地域生活支援施設

地域生活支援施設では、身体障害や知的障害、精神障害などをもつ利用者に対して施設や自宅を訪問し、日常生活のフォローやリハビリのサポート、機能回復訓練などの支援を提供します。

就労支援施設

就労支援施設とは、障害者が働く場所を確保し、仕事に必要な知識や能力向上のための支援を行う施設です。就労支援施設における業務では賃金も発生し、障害者の収入にもなります。

就労支援施設には「就労継続支援A型事業所」「就労支援継続支援B型事業所」「就労移行支援事業」「就労定着支援事業」などさまざまな種類があり、障害の程度や利用者のニーズなどに合わせて、働く環境を提供しサポートします。

サービス管理責任者の年収

サービス管理責任者の年収は平均して360~400万円程度と言われていますが、地域によっては500万円前後になることも珍しくありません。

サービス管理責任者は、施設に1人常勤の資格者が在籍しているなら、2人目以降は非常勤(パートなど)として勤めることができます。そのため、同じ資格を持っていても年収に大きな差が出てきてしまうのでしょう。

サービス管理責任者の需要

サービス管理責任者の需要は障害福祉業界で特に高いです。そもそも、障害福祉施設ではサービス管理責任者を配置しなければ、報酬算定で大きな減算を受けます。配置基準を満たさない状態が長期間続けば、行政からの指導を受けたり営業停止処分などを受けたりすることもあるでしょう。

加えて、サービス管理責任者の資格取得に必要な実務経験は最低でも5年以上、さらに研修の受講を完了させるまでに最低2年。つまりどれだけ短くても取得までに7年以上の年月が必要です。

サービス管理責任者の資格所持者なら、業界のニーズは非常に高く優遇してでも雇い入れたいという事業所も少なくないでしょう。

サービス管理責任者は転職できる?

サービス管理責任者は障害福祉に特化した資格なので、異業種への転職を考えた際には、あまり有利に働かないかもしれません。しかし、障害福祉業界のなかで転職を考えるなら引く手数多と言えるでしょう。

転職を考える大きな原因として「待遇」「業務内容」「人間関係」が挙げられます。しかし、同業種内でこれらの要素を大きく変えるのは難しいケースが多いです。人間関係はともかく、待遇や業務内容に関しては、資格の有無やポジションによってある程度業界平均として固定されているケースが少なくありません。

そこで、サービス管理責任者の転職として注目を集めているのが療育業界です。サービス管理責任者は療育業界で児童発達支援管理責任者として従事することができます。

業務内容は似通っていますが、利用者の対象年齢が変わるのは大きな違いと言えます。子ども達に接するなかで、やりがいや楽しさを見出す人も多いようです。特に、子どもが好きという人なら、療育業界が向いているでしょう。

サービス管理責任者が向いている人の特徴

障害福祉業界で働くうえで、魅力的な資格であるサービス管理責任者ですが、管理者として勤める以上、誰にでも向いている仕事とは言えません。

サービス管理責任者には以下のような特徴を持つ人が向いているでしょう。

責任感が強い

サービス管理責任者は、障害福祉サービスにおける責任者です。その采配によって、利用者に最適な支援が行き届くかどうかが決まります。

力量不足で利用者に必要な支援が行き届かなかった場合、利用者はさまざまな負担を抱えることになるでしょう。そういった点でも、利用者により添い自分のことのように、支援の必要性を考えられる責任感が求められます。

マネジメントが得意

サービス管理責任者は、施設内の責任者としての一面も持っています。特に、他のスタッフのスキルや性格などを把握し、適切な指示を送ることも大切です。

施設内をひとつのチームとしてマネジメントし、スムーズな支援を提供することが求められます。人からの指示を待っているようでは、サービス管理責任者の仕事は難しいかもしれません。

広い視野を持って、効率的にチームを誘導できるマネジメントが得意な人は、サービス管理責任者に向いています。

コミュニケーション力がある

サービス管理責任者は、利用者、スタッフ、外部機関などさまざま人との交流が求められます。限られた時間のなかで、必要な情報を聞き出したり、やり取りのなかからニーズや現状などの情報を汲み取ったりする必要もあるでしょう。

それらに求められるのはコミュニケーション能力と言えます。初対面でも協力的なやり取りをできるようなコミュニケーション能力をもつ人に、サービス管理責任者の仕事はぴったりです。

サービス管理責任者は療育業界でも通用する資格

サービス管理責任者について分かりやすく解説してきました。サービス管理責任者は試験がないものの、十分な実務経験が必要なため取得難易度も高めで、障害者福祉には欠かせない資格職です。

これから資格を目指す人にもおすすめできるでしょう。また、既にサービス管理責任者の資格を持っているにも関わらず、障害者福祉業界での仕事に活用できていないという人は療育業界への転職を検討してみてはいかがでしょうか。

分野は同じでも利用者が子どもとなると、新たな発見ややりがいを見つけられるかもしれませんよ。
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