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サービス管理責任者になるには?資格取得の難易度やかかる費用も解説

クエスチョンマークを持つ男性
障害福祉業界で働く人のなかには、施設への配置が義務付けられているサービス管理責任者を目指している人も少なくないでしょう。

サービス管理責任者は業界内での需要も高いため、資格を得ておくことで同業種の転職にも有利です。

この記事では、サービス管理責任者になるにはどうすればよいのか分かりやすく解説します。資格の取り方はもちろん、取得の難易度やかかる費用についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

サービス管理責任者とは

サービス管理責任者とは、障害者総合支援法で定められた障害福祉サービスにおける管理資格です。

障害福祉施設にはサービス管理責任者もしくは児童発達支援管理責任者の配置が義務付けられています。

サービス管理責任者は、提供する障害福祉サービスの質の向上を目的に配置されている人員です。利用者へのアセスメント、個別支援計画書の作成、定期的なモニタリング、評価など、適切な支援を提供する一連のプロセスを管理します。

また、従事者の教育や必要な講習の手引きなど、サービス提供者の管理もサービス管理責任者の業務です。

サービス管理責任者の合格率

サービス管理責任者は試験がなく、要件を満たすことで資格を得られます。そのため、合格率は算出できません。

要件を満たせば誰でも取得できる点で言えば、取得を希望する人は100%の確率で資格を得られます。しかし、要件を満たすには長い年月を必要とするため、資格取得率はそう高くないのが現実です。

平成18~30年度までの間に資格を得た人は230,005人。令和1~3年の間は52,398人がサービス管理責任者の資格を得ているというデータがあります。平成17年度の介護・福祉サービス従事者は3,276,655人というデータを見れば、サービス管理責任者の数の少なさが分かりやすいのではないでしょうか。

サービス管理責任者資格の取得に必要な費用

サービス管理責任者の資格を得る際にかかる費用は、研修の受講費のみです。
しかし、自治体によっては無料で受講できる場合もあります。住居もしくは事業所のある自治体の研修概要を確認してみるとよいでしょう。

以下は令和4年度における関東の自治体の研修費用です。
東京都→基礎研修・実践研修・更新研修すべて無料
千葉県→基礎研修・実践研修・更新研修すべて無料
神奈川県→基礎研修22,000円・実践研修28,000円・更新研修17,600円
埼玉県→基礎研修10,000円・実践研修27,500円
群馬県→基礎研修4,000円・実践研修4,000円
栃木県→基礎研修24,000円・実践研修20,000円・更新研修8,000円
茨木県→基礎研修18,000~25,500円・実践研修25,000円・更新研修12,2000円
※費用は全て税込
これだけを見ても、自治体によってまったく費用が違うことが分かります。

サービス管理責任者になるには

サービス管理責任者になるには、実務経験と研修への参加の2つの要件を満たす必要があります。それぞれの要件についてみていきましょう。

実務経験の要件を満たす

実務経験の要件は、所定の施設で行われる相談支援業務もしくは直接支援業務の日数をカウントします。
障害者の保険、医療、福祉、就労、教育に関わる施設において、利用者からの相談を受けたり指導・助言を行ったりする業務
基本的に5年以上の実務経験が必要
直接支援業務
障害者の保険、医療、福祉、就労、教育に関わる施設において、利用者の日常生活をサポートしたり日常生活や就労などに必要なスキルを得るための訓練を行ったりする業務
基本的に8年以上の実務経験が必要
実務経験の要件は基本的に、相談支援業務で5年以上、直接支援業務で8年以上が必要です。しかし、所定の資格を所持している、もしくは所定の国家資格を必要とする職業の実務経験が5年以上ある場合には条件が緩和されます。

研修の受講要件を満たす

サービス管理責任者の研修要件を満たすには以下の3つの研修を受講・終了する必要があります。
  • 相談支援従事者初任者研修
  • 基礎研修
  • 実践研修
それぞれの研修には受講のための要件もあります。要件を満たしていなければ、研修を受講できないので注意してください。
相談支援従事者初任者研修
障害者の保険、医療、福祉、就労、教育に関わる施設において、3~5年の実務経験が必要
基礎研修
サービス管理責任者要件の実務経験から2年引いた年数以上の実務経験が必要
実践研修
基礎研修終了後、5年以内に2年以上の実務経験が必要
研修は自治体が主催しているため、居住地もしくは勤務地の自治体が告知している研修のスケジュールを確認してみましょう。

自治体によっては個人の申し込みを受け付けていない場合もあるため、その際には施設から申し込みをしてもらいます。また、研修では参加人数を限定しているケースが多いです。申込の受付開始日や期日も確認し、早めに申込みをしておくのがおすすめです。

時限的例外措置「みなしサービス管理責任者」とは

平成31年に行われた研修規定の見直しによって、時限的かつ例外として認められたのがみなしサービス管理責任者という措置です。

研修規定の見直しにともない以下の要件を満たしている場合、実践研修の受講終了前でもサービス管理責任者として従事することができるようになりました。
  • 令和1~3年に基礎研修を終えている
  • 基礎研修受講時、実務経験を完全に満たしている
上記の条件を満たしている場合、基礎研修終了後3年間サービス管理責任者として従事できます。これは研修規定の改正にともない基礎研修を終えた後、OJT(On the Job Training:現場で実務を通して行う職業教育という意味)を経て実践研修を受講するよう改定されたため、一時的にサービス管理責任者資格の取得者減少が見込まれたために採用された措置です。

そのため、対象者は令和1~3年に基礎研修を受けた人に限られており、令和6年にみなしサービス管理責任者制度は終了する見込みです。

サービス管理責任者になる2つのメリット

ここまでサービス管理責任者になる方法を紹介してきましたが、実務経験の要件に加え、実践研修の受講条件を加えると所定の国家資格などを持っていない場合最短でも7年以上の実務経験が必要です。

試験がないとは言え、資格取得までに長い時間がかかることから、これからサービス管理責任者を目指す人には高いハードルのように思えるでしょう。

しかし、サービス管理責任者は取得するのに時間がかかる分、取得してしまえばさまざまなメリットがあります。続いては、サービス管理責任者になるメリットを紹介します。

障害福祉業界で需要がある

障害福祉施設では、配置基準としてサービス管理責任者の配置が義務付けられています。そのため、サービス管理責任者の資格を持っている人は、障害福祉業界で常に求められている人材です。

すでにサービス管理責任者を配置している施設であっても、急な退職や休職などで配置基準を満たせなくなれば翌日から報酬算定で減算を受けてしまいます。そこで、施設側としては万一の場合に、慌てなくてもいいようサービス管理責任者として配置できる人材を多く確保しておきたいというのが本音です。

これらの理由から、サービス管理責任者は新設の施設だけでなく、障害福祉業界全体から需要があります。

児童障害福祉では児童発達支援管理責任者として従事できる

サービス管理責任者とよく似た資格に児童発達支援管理責任者という資格があります。
業務内容はほぼ同じですが、サービス管理責任者は18歳以上を対象として障害福祉サービスで、児童発達支援管理責任者は18歳未満を対象として障害福祉サービスとしてそれぞれ活躍しています。

サービス管理責任者として従事しているなかで、働く環境を変えたいなと思った時、サービス管理責任者は児童障害福祉分野で児童発達支援管理責任者として配置が可能です。特に研修などの受け直しも必要ありません。

サービス管理責任者の資格を得ておくことで、将来の選択肢を増やせるのは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

サービス管理責任者になるうえで大変なこと

サービス管理責任者になるうえで大変なのは、長い実務経験が必要なことが挙げられます。

令和2年に厚生労働省から発表された調査結果によると、障害福祉分野における福祉・介護職員の平均給与額は321,820円とされています。しかし、これは勤務年数等を加味していない全体の平均月収なので、実際のところ未経験で入職し始めであれば月収が20万円を下回るケースも少なくありません。多くの一般福祉・介護職員の月収は22~26万程が平均かと思われます。年収で言えば300~350万円台が最も多い割合になるのではないでしょうか。

お世辞にも高いと言えない給与で長い実務経験を積むことに耐え切れず、途中で資格を諦めてしまう人も少なくありません。しかし、サービス管理責任者は、厚生労働省の調査結果では平均給与が409,300円と大幅に水準が上がっています。これも、勤務年数等は加味していないため、実際は30~35万円台が最も多いでしょう。年収は360~420万円、地域によっては500万円程というケースも珍しくありません。

サービス管理責任者は実務経験を得るまでの間、コツコツと努力を続けていく点が最も大変だという人も少なくないです。

サービス管理責任者のやりがい

サービス管理責任者のやりがいは、利用者の快適さに貢献できる点と言えるでしょう。障害によってさまざまな問題や不便さを抱える人を適切な支援と結びつけてあげるのがサービス管理責任者の役割です。

サービス管理責任者の采配や、管理・指導しているスタッフによって、利用者が笑顔になる瞬間にやりがいを感じるという声も多くあります。報酬をもらって仕事として取り組んでいるものの、適切な支援を受けられるようになった利用者から「ありがとう」と感謝されることも多いです。

サービス管理責任者を目指してみませんか

障害福祉業界において、なくてはならない存在であるサービス管理責任者。障害福祉業界で長く勤めたいという人には最適な資格と言えるでしょう。また、なかには過去の経歴を振り返ると、サービス管理責任者の要件を満たせるかもしれない、なんて人もいるかもしれません。

ぜひ福祉・介護従事者からキャリアアップできるサービス管理責任者資格の獲得を目指してみてはいかがですか。

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