言語聴覚士(ST)の就職先は?PT・OTとの違いや資格の取り方も紹介
障害福祉分野では、言語聴覚士(ST)という専門職があります。しかし、多くの人は言語聴覚士がどのような役割を持っているのか知らないのではないでしょうか。
実は、言語聴覚士は障害福祉や介護などのリハビリ分野で非常に重要な役割を持つ専門職です。
今回は、そんな言語聴覚士について紹介します。よく似ている専門職として混同しがちなPTやOTとの違い、資格の取り方、合格率なども紹介しているので、言語聴覚士として働いてみたいと考えている人も、ぜひ参考にしてみてください。
実は、言語聴覚士は障害福祉や介護などのリハビリ分野で非常に重要な役割を持つ専門職です。
今回は、そんな言語聴覚士について紹介します。よく似ている専門職として混同しがちなPTやOTとの違い、資格の取り方、合格率なども紹介しているので、言語聴覚士として働いてみたいと考えている人も、ぜひ参考にしてみてください。
言語聴覚士(ST)とは
言語聴覚士(ST)は、言語、認知、聴覚、嚥下などに関するリハビリの専門職です。先天的・後天的に関係なく、これらの能力に何らかの問題を持つ患者に対し、能力回復や改善のためのリハビリを提供しています。
STは何の略?
言語聴覚士は簡易的に「ST(エスティー)」と呼ばれることがあります。これは、言語聴覚士の英訳となる「Speech-Language-Hearing Therapist」の略称です。
Speech…話す
Language…言語
Hearing…聴力
Language…言語
Hearing…聴力
名称に、言語聴覚士の仕事内容が含まれています。
言語聴覚士の国家資格創設の歴史
言語聴覚士は、他の国家資格に比べると歴史の浅い資格です。成立されたのは1997年のため、制定されてからまだ約30年ほどです。
医師の国家資格が1946年に制定されたことに比べると、随分長い間言語聴覚士の分野において専門職が存在していなかったことがわかります。
ちなみに、海外では1960年頃から言語聴覚士の役割を持つ専門職が存在しており、当時の日本の医療分野が世界から遅れをとっていたことも要因のひとつとして考えられます。
医師の国家資格が1946年に制定されたことに比べると、随分長い間言語聴覚士の分野において専門職が存在していなかったことがわかります。
ちなみに、海外では1960年頃から言語聴覚士の役割を持つ専門職が存在しており、当時の日本の医療分野が世界から遅れをとっていたことも要因のひとつとして考えられます。
言語聴覚士の需要が高まっている理由
近年、言語聴覚士の需要は高まっており、多くの施設で人材不足が嘆かれています。それほど多くない言語聴覚士を各分野・施設が取り合っている背景には高齢化社会が関係していると言えるでしょう。
これまでは、先天的に嚥下障害を持つ子どもや脳卒中など病気の後遺症を持つ患者に対するリハビリを重点的に行う専門職として活躍していました。しかし、少子高齢化により、老化に伴う嚥下障害を患う人が増え、介護分野における言語聴覚士の需要が高騰しています。
これまでは、先天的に嚥下障害を持つ子どもや脳卒中など病気の後遺症を持つ患者に対するリハビリを重点的に行う専門職として活躍していました。しかし、少子高齢化により、老化に伴う嚥下障害を患う人が増え、介護分野における言語聴覚士の需要が高騰しています。
言語聴覚士の役割
言語聴覚士はリハビリにおいて以下の役割を持つ専門職です。
言語や認知に関するリハビリを提供する
言語聴覚士は言語に関するリハビリを提供する専門職です。事故や病気により発語ができなくなった人や発音に不得意や困難、障害を持つ人へのリハビリを対応します。
また、言語には認知機能が欠かせません。そのため、認知に関する評価やトレーニングも言語聴覚士が担うケースがあります。
脳梗塞、脳卒中、失語症、高次脳機能障害、認知症、発達障害など、言語聴覚士はさまざまな病気や障害を持つ人に関わる専門職です。
また、言語には認知機能が欠かせません。そのため、認知に関する評価やトレーニングも言語聴覚士が担うケースがあります。
脳梗塞、脳卒中、失語症、高次脳機能障害、認知症、発達障害など、言語聴覚士はさまざまな病気や障害を持つ人に関わる専門職です。
聴覚のリハビリを提供する
言語聴覚士は、聴覚に困難や障害を持っている人に対するリハビリ支援も提供します。難聴の評価、補聴器の調整、人工内耳のリハビリ、先天的な難聴を持つ子どもへの言語支援も言語聴覚士の仕事です。
摂食や嚥下に関するリハビリを提供する
言語聴覚士は、摂食や嚥下に関するリハビリにも関与します。これこそが、高齢化社会である日本で言語聴覚士の需要が高まっている要因とも言えます。
上手く食べ物を咀嚼できない、飲み込めないなど、摂食や嚥下に対する困難を持つ人が、安全に食事をとれるよう工夫したりトレーニングしたりするのが仕事です。
近年は、高齢者の嚥下機能低下に対するリハビリの専門家として、福祉分野での需要が特に高まっています。
上手く食べ物を咀嚼できない、飲み込めないなど、摂食や嚥下に対する困難を持つ人が、安全に食事をとれるよう工夫したりトレーニングしたりするのが仕事です。
近年は、高齢者の嚥下機能低下に対するリハビリの専門家として、福祉分野での需要が特に高まっています。
言語聴覚士と理学療法士(PT)の違い
言語聴覚士とよく似た専門職に理学療法士があります。理学療法士は英訳すると「Physical Therapist」であり、略称として「PT」と呼ばれることがあります。
言語聴覚士との明確な違いは、運動機能に特化したリハビリの専門職であるという点です。
理学療法士は「立つ」「歩く」「座る」など、基本的な動作に対する回復、維持、予防の観点からリハビリを提供します。
言語聴覚士との明確な違いは、運動機能に特化したリハビリの専門職であるという点です。
理学療法士は「立つ」「歩く」「座る」など、基本的な動作に対する回復、維持、予防の観点からリハビリを提供します。
言語聴覚士と作業療法士(OT)の違い
さらに言語聴覚士とよく似ている専門職に作業療法士があります。作業療法士は英訳すると「Occupational Therapist」であり、略称として「OT」と呼ばれることがあります。
作業療法士はどちらかと言えば、理学療法士に近いリハビリの専門職です。動作に関するリハビリを提供しますが、理学療法士のような基本的な動作ではなく、入浴、着替え、調理といった人間が生きるうえで必要不可欠な「動作」に関するリハビリを提供するのが特徴です。
作業療法士はどちらかと言えば、理学療法士に近いリハビリの専門職です。動作に関するリハビリを提供しますが、理学療法士のような基本的な動作ではなく、入浴、着替え、調理といった人間が生きるうえで必要不可欠な「動作」に関するリハビリを提供するのが特徴です。
言語聴覚士のなり方
言語聴覚士は国家試験を受験・合格することで、資格が得られます。また、言語聴覚士国家試験を受験するには以下の要件のいずれかを満たす必要があります。
- 専修学校もしくは専門学校を卒業する
- 大学や大学院の専攻科を卒業する
- 外国など言語聴覚士の資格を取得もしくは履修科目を修め、指定校を卒業する
上記はいずれも最終学歴が高等学校卒業(もしくは相当の資格を有する)であることが前提となります。専修学校や専門学校は最終学歴や履修科目によって必要年数が異なり、およそ2~4年間で卒業できるケースが多いです。
言語聴覚士の平均年収
厚生労働省の調査によると、言語聴覚士の平均年収は約443万円という報告があります。
もちろん、勤務する施設によっても年収は異なるため、平均値は中央値ではない点に注意してください。
年齢や経験年数によっても給与には違いがあり、多くの言語聴覚士が50代後半ほどで年収のピークを迎える傾向にあります。
年収を上げるために、管理職や独立を目指す人もいれば、「認定言語聴覚士」など民間資格を取得して専門性を高めることで、賃金アップを目指す人も少なくありません。
もちろん、勤務する施設によっても年収は異なるため、平均値は中央値ではない点に注意してください。
年齢や経験年数によっても給与には違いがあり、多くの言語聴覚士が50代後半ほどで年収のピークを迎える傾向にあります。
年収を上げるために、管理職や独立を目指す人もいれば、「認定言語聴覚士」など民間資格を取得して専門性を高めることで、賃金アップを目指す人も少なくありません。
言語聴覚士の資格取得の難易度
言語聴覚士の資格を取得するには、国家試験で200点満点中120点以上の獲得が必要です。
令和8年に行われた言語聴覚士国家試験の合格率は66.4%でした。決して低い数値ではありませんが、高いとも言い難いです。
専門領域が多岐に渡る言語聴覚士には多くの知識が求められます。しっかりと勉強をして対策していれば対応できない難易度ではありませんが、準備は簡単ではないでしょう。
第28回言語聴覚士国家試験の合格発表について|厚生労働省
令和8年に行われた言語聴覚士国家試験の合格率は66.4%でした。決して低い数値ではありませんが、高いとも言い難いです。
専門領域が多岐に渡る言語聴覚士には多くの知識が求められます。しっかりと勉強をして対策していれば対応できない難易度ではありませんが、準備は簡単ではないでしょう。
言語聴覚士が活躍する職場
言語聴覚士は、さまざまな業種で必要とされている専門職です。
主に、以下の職場で言語聴覚士の需要が高いと言えます。
主に、以下の職場で言語聴覚士の需要が高いと言えます。
医療
大学病院、総合病院、クリニック、リハビリセンターなど
大学病院、総合病院、クリニック、リハビリセンターなど
介護
老人介護施設、訪問看護事業所、デイケア、訪問リハビリ事業所など
老人介護施設、訪問看護事業所、デイケア、訪問リハビリ事業所など
保健
保健所、保健センターなど
保健所、保健センターなど
教育
小中学校、特別支援学校、言語聴覚士教育施設など
小中学校、特別支援学校、言語聴覚士教育施設など
福祉
療育センター、児童発達支援事業所、放課後等デイサービス、重症心身障害児施設など
療育センター、児童発達支援事業所、放課後等デイサービス、重症心身障害児施設など
療育における言語聴覚士の仕事
療育とは、発達特性をもつ子どもに対して、自立や社会性を教える福祉支援の一種です。発達障害を持つ子どものなかには、発語が著しく遅いケースも多くみられます。
療育分野における言語聴覚士の役割は、著しく発語の遅い子どもに対する発語サポートがメインといえます。また、特性によって摂食に困難を持つ子どもも少なくありません。このような摂食に困難を抱える子どもに対して、どのように食事をとらせるのかを保護者にアドバイスしたり、子どもにトレーニングしたりすることも言語聴覚士の仕事です。
療育分野における言語聴覚士の役割は、著しく発語の遅い子どもに対する発語サポートがメインといえます。また、特性によって摂食に困難を持つ子どもも少なくありません。このような摂食に困難を抱える子どもに対して、どのように食事をとらせるのかを保護者にアドバイスしたり、子どもにトレーニングしたりすることも言語聴覚士の仕事です。
言語聴覚士に関するよくある質問
最後に、言語聴覚士に関するよくある質問にお答えします。
中卒で言語聴覚士になれますか?
言語聴覚士は中卒(最終学歴が中学卒業相当)ではなれません。
言語聴覚士国家資格の受験資格を得るため、専修学校もしくは専門学校に通う際に、高卒もしくは高卒認定試験に合格して高卒認定を受ける必要があります。
言語聴覚士国家資格の受験資格を得るため、専修学校もしくは専門学校に通う際に、高卒もしくは高卒認定試験に合格して高卒認定を受ける必要があります。
通信教育で言語聴覚士になれますか?
言語聴覚士国家試験の受験資格を獲得できる通信教育は、2026年7月時点で存在しません。
言語聴覚士になるには専修学校もしくは専門学校、大学の専修課程の履修が必要です。
言語聴覚士になるには専修学校もしくは専門学校、大学の専修課程の履修が必要です。
言語聴覚士になるには学費がどれくらいかかりますか?
言語聴覚士国家資格の受験資格が取得できる学校の場合、多くの場合年間150万円以上の学費が必要です。2年制なら300万円、3年制なら450万円、4年制なら600万円を目安としてかんがえるとよいでしょう。
尚、2年制の場合は大学卒業者が対象となるため、別途大学の学費も必要です。
尚、2年制の場合は大学卒業者が対象となるため、別途大学の学費も必要です。
まとめ
今回は、言語聴覚士について紹介してきました。言語聴覚士は、専門性が高く言語や認知、聴覚、摂食に関して困り事がある人に欠かせない存在です。
近年は発達障害児の増加によって療育分野でも言語聴覚士の需要が高まっています。療育分野で働いてみたいと考えている言語聴覚士の方は、ぜひ療育bizにご相談ください。あなたにぴったりの職場をご紹介します。
近年は発達障害児の増加によって療育分野でも言語聴覚士の需要が高まっています。療育分野で働いてみたいと考えている言語聴覚士の方は、ぜひ療育bizにご相談ください。あなたにぴったりの職場をご紹介します。

