実務経験証明書とは?発行する方法を解説|療育biz
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実務経験証明書とは?発行する方法を解説

児童指導員や児童発達支援管理責任者として働く際、「実務経験証明書」と呼ばれるものが必要になることがあります。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、人によってはとても重要な書類になります。
これから児童指導員などの転職を目指している人には必要なものですので、今回はそんな実務経験証明書について解説していきます。

実務経験証明書とは?

実務経験証明書とは、「実務」つまりこれまでの働いてきた経験はどのくらいの期間なのかが記載された書類で、実務経験が必要となる職場で働く際に必要となってくるものです。
児童福祉関係だと、児童指導員や児童発達支援管理責任者などの仕事で必要になることがあります。

発行は勤めている(勤めていた)事業所が行いますので、職場環境や退職の仕方によっては取得するのに苦労することもあるかもしれません。

療育業界で実務経験証明書が必要なケース

実務経験証明書はさまざまな業界で用いられる証明書です。療育業界では、主に以下のケースで提出を求められることが多いでしょう。
  • 転職するとき
  • サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者研修を受講するとき
  • サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者として配置されるとき
これらのケースでは、実務経験証明書の提出を求められることがあります。

実務経験を計算する際の注意点

療育業界では、求められる実務経験を証明するために実務経験証明書を提出することが多いため、事前に実務経験を計算して求められている基準を満たしているのか確認しておくとよいでしょう。

実務経験を計算する際には、以下のポイントに注意してください。

休日・欠勤・産休・育休などは含まれない

実務経験とは、実際に業務に従事した日数を指します。そのため、休日や欠勤日は実務経験に含まれません。基本的に、有給休暇以外の欠勤は実務経験に含まないので注意してください。

その他、産前休暇や育児休暇、忌引休暇、傷病休暇等も実務経験に含まれません。

従事日数が180日未満の場合は1年間とカウントされない

実務経験証明書で1年間の実務経験を証明する際、年間の従事日数が180日以上必要です。年間の従事日数が180日未満の場合は、1年間とカウントされません。

特に、サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修の受講に伴い、実務経験証明書の発行を希望している人は年単位での実務経験証明が求められるため注意してください。

パートやアルバイトも実務経験に含まれる

実務経験証明書は、雇用形態に関係なく発行してもらうことができます。パートやアルバイトとして勤めている場合でも、従事した日数を実務経験としてカウントすることができます。

実務経験証明書はどこでもらえるの?

実務経験証明書は勤めている(勤めていた)施設や事業所で発行してもらえます。そのため、現在勤めている職場の場合は、同僚や上司に依頼することになるでしょう。

実務経験証明書は原則として、施設や事業所の施設長や理事長など代表者が発行可能な証明書です。

一般的な小中規模の施設や事業所は、事業所の管理者に直接申請して発行手続きを進めていくことになります。
全国展開している事業所などは、本社に申請が必要なケースもあるでしょう。場合によっては、ホームページに申請フォームなどを設置している企業もあるため、一度確認してみるのがおすすめです。

一方、退職した事業所での実務経験証明書を発行する際には、前の職場に申請依頼を行う必要があります。複数の事業所での実務経験を統合することもできるため、過去に勤めていた職場からも実務経験証明書を発行してもらうとよいでしょう。

実務経験証明書を取得する方法

続いては、一般的な実務経験証明書の取得方法を紹介します。現在勤めている事業所で発行する場合と、すでに退職した事業所で発行する場合に分けて解説しているため、それぞれ参考にしてみてください。

現在勤めている事業所で発行してもらう場合

事業所の管理者に実務経験証明書の発行を依頼しましょう。その際、様式(フォーマット)の有無や種類を確認しておくと安心です。

自分の求めている様式ではない場合や、事業所で様式を用意してもらえない場合、自分で必要とする様式(フォーマット)をプリントアウトして提出しましょう。

サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者研修の受講に必要な実務経験証明書であれば、スムーズに発行してもらえるでしょう。ただし、転職に伴って必要な実務経験証明書を申請する際には、事前に辞職の旨を相談した後にお願いする方がトラブルが起きにくくなるかもしれません。

すでに退社した事業所で発行してもらう場合

以前勤めていた事業所で実務経験証明書を発行してもらう場合は、まず電話などで実務経験証明書の発行を依頼しましょう。

依頼の承諾後、実務経験証明書の様式をプリントアウトしたもの、返信用封様(切手付)を同封して、以前勤めていた事業所に郵送します。
以前勤めていた事業所などで実務経験証明書を発行してもらえない場合などの対処法は、記事の後半で紹介します。

実務経験証明書に記載が必要な項目

実務経験証明書は都道府県や自治体によって様式が定められており、それぞれに項目などは異なります。
しかし、以下の項目は全国で共通しているため、自分で用意した様式で実務経験証明書の発行を依頼する場合には事前に確認しておきましょう。
  • 実務を行った日数(期間)
  • 所属機関の種別
  • 業務内容
  • 所属機関名
  • 所属機関の代表者氏名
  • 代表者の押印
上記の項目がない場合は、様式を誤っている可能性もあります。

実務経験証明書を発行してもらうポイント

実務経験証明書を発行してもらう際には、以下のポイントを押さえておきましょう。

ポイント1.実務経験証明書は様式(フォーマット)が決まっている

実務経験証明書は都道府県や自治体によって決められた様式(フォーマット)があります。そのため、実務経験証明書の発行を依頼する場合は、自分の必要とする様式で発行してもらえるのか事前に確認しておきましょう。

特に、前に勤めていた事業所などに依頼した場合、別の都道府県や自治体の様式であるため再発行を依頼しなければならない状態に陥る人も少なくありません。自分で必要な様式のものをプリントアウトして送付し、記入を依頼する方が確実です。

ポイント2.発行までに時間がかかるケースも多い

実務経験証明書の発行には事務的な手間が発生し、対応が後回しになってしまう事業所も少なくありません。依頼してから発行までに1ヶ月程度かかる事業所が多いため、事前にいつまでに必要なのか伝えておくと良いでしょう。

ポイント3実務経験証明書には有効期限がある

実務経験書には、有効期限があります。

なかには「前に働いていた事業所で実務経験証明書を発行してもらうのは気を遣うから、辞める前に実務経験証明書を発行しておいてもらおう」と考える人もいるでしょう。しかし、都道府県や自治体によって期間は異なるものの、発行時期の古い実務経験証明書は無効とされてしまう場合もあるので注意しましょう

実務経験証明書を発行してもらえない場合はどうすればいい?

サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修などを受けるために、現在勤めている事業所での実務経験証明書を発行してもらう場合は、スムーズに手続きが進むケースが多いです。一方、転職を目的としている場合や以前勤めていた事業所で実務経験証明書を発行してもらう場合は、トラブルになるケースも少なくありません。

続いては、実務経験証明書を発行してもらえない場合の対処法を紹介します。

現在勤めている事業所で発行してもらえない場合

転職などの目的で実務経験証明書の発行を依頼したものの、現在勤めている事業所で対応してもらえない場合は、施設管理者や事業責任者に直接依頼するのもよいでしょう。

実務経験証明書の発行は、労働基準法22条1項によって、使用者(事業責任者)に定められた義務です。法律的にも、「遅延なく定めること」とされているため、堂々と依頼するのがよいでしょう。

業務が忙しいなどの理由で発行が後回しにされる場合は、いつまでに発行してもらえるのかを確認し、期限を厳守してもらうようお願いします。

法律の専門家(弁護士や行政書士)や労働基準局などの外部機関に介入してもらう方法もありますが、大事になると関係が悪くなってしまう恐れもあり、退職までいたたまれない日々を過ごすことになりかねません。

あくまで「お願いする」というスタンスで、相手に寄り添って実務経験証明書の発行を依頼するのがおすすめです。

以前勤めていた事業所で発行してもらえない場合

以前に勤めていた職場で人間関係が悪かった、喧嘩別れのような形で退職してしまった、などの理由で実務経験証明書を発行してもらえないというケースは案外少なくありません。

まずは丁寧にお願いをしてみましょう。それでも、頑なに対応してもらえない場合は、弁護士や行政書士に依頼して法律に則った依頼だという主張を内容証明として送付してもらうのがおすすめです。

費用はかかってしまうものの、自分自身が直接対応しなくて良い分、気持ち的にも楽に対処できるでしょう。その他、労働基準監督署に相談して指導してもらう方法もありますが、実際には労働基準監督署が動いてくれるケースは稀なので、あまり期待しない方がよいかもしれません。

前の職場が廃業してしまった場合はどうすればいい?

前の職場が廃業してしまい、実務経験証明書の発行を依頼できない場合は、各自治体に相談してみるとよいでしょう。事業所の代表と連絡がつく場合は、廃業していても代表者として実務経験証明書を発行してもらえることがあります。

また、勤務していた事業所が廃業していても母体となる法人などが存続しているケースもあります。その場合、母体となる法人などに実務経験証明書の発行を依頼してください。

実務経験証明書は自分で記入してもいいの?

実務経験証明書は基本的に使用者(事業者)が記入するものなので、自分で勝手に記入することはできません。事業所などに無断で実務経験証明書を作成した場合、訴訟問題などに発展することもあります。

ただし、勤めていた事業所が廃業してしまったなど、やむを得ないケースのみ自分で実務経験証明書を記入してもよいとされる例外的措置があります。まずは、自治体などで実務経験証明書を発行できない理由を相談して、指示を仰ぐのがよいでしょう。

実務経験証明書の発行に費用は必要?

実務経験証明書の発行にかかる費用は事業所によってさまざまです。無料で発行してもらえるケースもあれば、事務手数料として費用を請求されるケースもあります。

費用の有無に関しては、事前に確認しておくのがおすすめです。

実務経験証明書を発行してもらおう

サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修の申し込み時や転職の際に活用する実務経験証明書について解説してきました。

事業所にとってプラスとなる理由であれば、快く発行してもらえるものの、そうでない場合にはトラブルを引き起こす可能性も少なくありません。
トラブルになってしまった場合は、感情的にならず冷静に対処することが大切です。

何より、実務経験証明書の発行は使用者(事業者)にとって法律で定められた義務でもあります。今回紹介した方法なども参考に、粛々と発行の依頼をしてみてくださいね。

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