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発達障害の診断が受けられる医療機関は?診断方法や相談先・セルフチェックも紹介

障害者手帳とハート

発達障害ってどんなもの?

発達障害とは、脳の働きが一般的なものとは異なることで起こる脳機能障害の一種です。正式名称は広汎性発達障害と言い、大きく4つに分類されます。
  • 自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害・ASD)
  • 注意欠如・多動症(注意欠如・多動性障害・ADHD)
  • 限局性学習症(限局性学習障害・SLD)
  • その他脳機能障害
近年、大人の発達障害や有名人によるカミングアウトなどによって世間的に認知度も高まりつつありますが、まだまだ偏見や誤った認識なども多く、発達障害者に対する合理的配慮が求められています。

発達障害は治る?

発達障害は病気ではないため、治療などによって完治することはありません。しかし、自分にとって何が困難なのかを理解し、工夫する訓練を行うことで一般人と変わらず生活している人も多いです。

特に、子どもの発達障害においては低年齢時に早期療育を受けることで、さまざまな効果が期待できると言われています。

子どもの発達障害について相談できる機関とは

子どもの発達について不安を感じている人は、まず公的機関で相談支援を受けることを検討してみるのがよいでしょう。一般的に知られている発達過程はあくまで平均的な基準でしかありません。

平均よりも早い子どもや遅い子どももいますし、何より1人1人得手不得手もあります。まずは気軽に受けられる公的機関の相談支援で不安な気持ちを聞いてもらい、発達障害の診断を受けるべきなのか相談する方法がおすすめです。

子どもの発達障害については以下の機関で相談支援を受けることができます。

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、発達障害に関する総合的な専門支援施設です。自治体が指定した団体が運営しており47都道府県98カ所あります。発達支援に関する相談だけでなく、療育や発達支援、発達障害者の就労支援なども行っているため、発達障害に詳しい人に相談をしたいという人は発達障害者支援センターに問い合わせてみるのがおすすめです。

療育センター

療育センターは主に就学前の子どもを対象に療育を行う施設です。福祉型と医療型に分かれ、医療型療育センターでは医療ケアが必要な子ども達の療育も担っています。医療を必要としない発達障害に関しては、福祉型療育センターで対応してもらえるでしょう。発達障害者支援センターと同じく、発達障害の知識が豊富なスタッフが対応してくれるため、未就学児の子どもの発達相談をしたいという人におすすめです。

子育て支援センター

発達障害を疑う程ではないかもしれないけど、発達に気になる所がある…という場合は、子育て支援センターに相談してみるのもよいでしょう。子育て支援センターで発達障害を疑われ、診断や支援に繋がるケースも少なくありません。発達障害者支援センターや療育センターに比べると相談へのハードルが低いというメリットもあります。まずは、子どもとお出かけ気分で子育て支援センターを訪ねてみるのもよいでしょう。

保健センター

保健センターとは、地域の保険福祉に寄り添った公的機関です。保健所と名称が似ていますが、違う施設なので間違えないよう注意してください。保健センターでは母子保健や老人保健などへの対応を主な業務としており、乳幼児健康検診などを行っているのも保健センターです。
保健センターでは、保健師や看護師、助産師、歯科衛生士、栄養士、理学療法士などさまざまな専門職員が在籍しています。多角的な視点で子供の発達に関するアドバイスをもらいやすいため、子育て支援センターと同じく気軽に相談しやすいでしょう。

発達支援事業所/放課後等デイサービス

発達支援事業所や放課後等デイサービスは、療育を行う施設です。発達支援事業所では未就学児、放課後等デイサービスでは就学児以上を対象として療育を行っています。事業所によっては、発達相談を行っていることもあるため相談してみるとよいでしょう。

結果的に発達障害では無かったとしても、子どもに何らかの苦手や困難があることに変わりはありません。療育の考え方を用いて苦手や困難を克服できるケースも多いため、発達支援事業所や放課後等デイサービスは発達グレーゾーンと呼ばれる子ども達も多く利用しています。

発達障害の診断を受けられる病院の診療科とは

発達障害を疑う場合や相談したうえで発達障害の診断を受けるよう勧められた場合には、病院を受診する必要があります。発達障害の診断は医療機関でしか行うことができません。

特に、診断書の有無によって支援を受ける際の費用負担などにも違いがあります。発達障害の確定診断が必要な場合には以下の診療科を受診してみてください。
大人の場合
【大学病院、総合病院、精神科、発達外来】
子どもの場合
【大学病院、総同病院、小児科、精神科、児童精神科、小児神経科、発達外来】
医療機関によっては、大人の発達障害だけを診療している場合や子どもの発達障害だけを診療している場合もあります。事前に病院へ問い合わせてみて、診断を受けられるか確認しておくのがおすすめです。

発達障害の診断が受けられる子どもの年齢とは

子どもの場合、発達には個人差が大きく診断は大変難しい傾向にあります。実際、年齢と共に発達診断の結果が変わることも多々ありますし、自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害・ASD)と診断されていたが数年後に注意欠如・多動症(注意欠如・多動性障害・ADHD)と診断が変わった等のケースもよく聞かれます。

一般的に発達障害の診断を受けられる子どもの年齢の目安は以下のとおりです。
自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害・ASD)
  →1歳頃から(特に3歳頃に診断を受けるケースが多い)
注意欠如・多動症(注意欠如・多動性障害・ADHD)
  →4歳頃から(特に8~10歳で診断を受けるケースが多い)
限局性学習症(限局性学習障害・SLD)
  →7歳頃から(就学後に診断を受けるケースが多い)
自閉スペクトラム症は、比較的低年齢児から特徴がみられることも多く、6ヵ月検診や1歳半検診などの際に、発達障害者支援センターや療育センターへの相談をすすめられるケースも少なくありません。

注意欠如・多動症や限局性学習症の特徴は、発達障害によるものなのか個性や環境によるものなのかを判断するのが難しく、就園や就学など集団行動をとるようになった頃に発見されるケースが多いです。特に注意欠如・多動症などは、普段の集団生活における困りごとから専門施設への相談を勧められるケースがあります。

発達障害の診断方法

発達障害の診断を行う際には、国際的な発達障害の基準であるDSM-5やICD-10という基準を元に医師による問診や行動観察、検査などを行います。

子どもの場合、保護者や本人に面接を行い問診のうえ基準に当てはまるかを判断していきます。また、検査では心理検査、発達検査、血液検査、知能検査の他、発達障害と併発しやすい障害に関する検査を行うケースが多いでしょう。

受診の際に、母子手帳や育児日記、就学児の場合は通知表などを資料として持っていくと、医師も診断の参考にしやすくなります。

発達障害の特徴は断続的に表れるため、1度の診察で診断が確定することは少ないでしょう。診断が下るまでには3カ月から半年以上かかるケースも多いです。

発達障害の診断にかかる費用の目安

発達障害の診断にかかる費用は医療機関によって異なりますが、一般的に1万5,000円~4万円ほどが相場と言われています。ただし、この金額は全額自費で算出した場合なので、保険適応される検査があれば費用は抑えられるでしょう。

また、保険適応内の検査においては子ども医療費助成制度を利用できる可能性が高いです。費用の目安については医療機関に、助成制度については自治体に事前に確認してみてください。

【幼児向け自己診断】自閉スペクトラム症(ASD)のセルフチェック

相談機関や医療機関を利用する前に、セルフチェックをしたいという人は以下を参考にしてみてください。

以下は自閉スペクトラム症(ASD)の子どもに多くみられる特徴をまとめたセルフチェックです。
  • 締め付けを感じやすい服やチャイルドシート、自転車のシートベルトなどを嫌がる
  • ベタベタしたりざらざらしたりする手触りや足触りを嫌がる
  • 音や光に極端な反応がある(過敏に反応する、もしくは全く反応しない)
  • 言葉のオウム返しが多い
  • たとえ話が理解できない
  • 偏食が激しい
  • こだわりが強い(ルーティンを忠実に繰り返す)
  • 急に予定が変わってしまうと癇癪やパニックを起こす
  • 同じ場所をくるくる回る、その場でジャンプし続けるなどの行動が見られる
  • 人の手をクレーンのように動かして自分の欲しいものを取ろうとする
  • 表情があまり変わらない
  • 表情や声色から相手の感情を推察できない
  • 周囲の子どもに興味を示さず一人遊びを好む
これらのチェックに当てはまるからといって、必ずしも自閉スペクトラム症の可能性がある訳ではありません。あくまで、自閉スペクトラム症の子どもに多く見られる特徴を紹介しており、健常児にこれらの特徴が見られる場合もあります。

【幼児向け自己診断】注意欠如・多動症(ADHD)のセルフチェック

以下は注意欠如・多動症(ADHD)の子どもに多くみられる特徴をまとめたセルフチェックです。
  • 短い時間でもじっとしているのが苦手
  • 気になるものを見つけると周りの声などが全く聞こえなくなる
  • 順番を守るなど社会のルールを守ることが苦手
  • 何度注意しても同じ失敗を繰り返してしまう
  • 会話中、人の話を遮って自分のしたい話をしてしまう
  • 興味のあることを始めると注意されてもやめられない
  • 興奮しやすく落ち着くまでに時間がかかる
これらのチェックに当てはまるからといって、必ずしも注意欠如・多動症(ADHD)の可能性がある訳ではありません。あくまで、注意欠如・多動症(ADHD)の子どもに多く見られる特徴を紹介しており、健常児にこれらの特徴が見られる場合もあります。

【小中学生け自己診断】限局性学習症(SLD)のセルフチェック

限局性学習症は、特性によってディスレクシア(読字障害)、ディスグラフィア(書字障害)、ディスカリキュア(算数障害)に分類されます。
今回はディスレクシアに見られる特徴を紹介します。
  • 文章を読むのが苦手で文字を1つずつ拾って読む
  • 文字を読む際に不自然な箇所(単語や文節の途中)で区切ってしまう
  • 文字間隔が密集していると文章が読めなくなる
  • 文字の読み飛ばしが多い(読めない文字を飛ばしている)
  • 「ぬ」と「め」、「れ」と「ね」など似ている文字の区別ができない
これらのチェックに当てはまるからといって、必ずしも限局性学習症(SLD)ディスレクシアの可能性がある訳ではありません。あくまで、限局性学習症(SLD)ディスレクシアの子どもに多く見られる特徴を紹介しており、健常児にこれらの特徴が見られる場合もあります。

発達障害の診断を受けることで早期支援につながりやすくなる可能性も

発達障害を疑う場合、診断を受けることでさまざまな支援と繋がりやすくなるメリットがあります。また、診断を受けて障害者手帳を取得することで支援にかかる費用の補助を受けられるなど、家計への負担を最小限に抑えることもできるでしょう。

発達障害を疑った際にはどのような医療機関で診断をしてもらえるのかを知っておき、いざという時にはスムーズに支援と繋がれるようにしておくのがおすすめです。

また、診断が降りなかったとしても発達に不安のある場合は、さまざまな支援を受けることが推奨されます。今回紹介している発達障害について相談できる機関も充分に活用して、不安を取り除いていきましょう。

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