1. TOP > 
  2. 療育の転職コラム > 
  3. 発達障害について > 
  4. 発達障害をわかりやすく解説!ASD・ADHD・SLDの違いや症状・必要な支援も紹介

発達障害をわかりやすく解説!ASD・ADHD・SLDの違いや症状・必要な支援も紹介

近年、発達障害という言葉を耳にする機会も増えてきました。一方で、発達障害について誤った認識を持っている人が少なくありません。

今回は発達障害についてわかりやすく解説します。合わせて、ASDやADHD、SLDなど発達障害の種類と違い、必要な支援、支援を受けられる施設についても紹介します。

発達障害の当事者だけでなく、発達障害を持っている家族がいる人、発達障害児支援に携わる人は、ぜひ参考にしてみてください。

発達障害とは

言う事を聞かない子どものイメージ
発達障害とは、先天的な脳の働きに凹凸の特性を持つ障害です。見た目には健常者と変わりありませんが、脳機能に障害を持っていることが原因で社会的コミュニケーションが難しかったり、集中力や衝動性をコントロールすることが難しかったりします。

発達障害は大きくわけて以下の3種類に分類されます。
  • 自閉スペクトラム症
  • 注意欠如・多動症
  • 限局性学習障害
それぞれに特性の傾向が異なり、同じ障害でも症状の現れ方に個人差があるのが発達障害の大きな特徴です。発達障害を理解するには、まずそれぞれの違いについて傾向を捉えることから始めましょう。

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉スペクトラム症は、これまで「自閉症」「アスペルガー症候群」と呼ばれていた脳機能障害を統合したものです。大きな特徴として社会的コミュニケーションに困難がみられるケースが多く、知的障害を伴うケースも少なくありません。

一方で、障害の現れ方に個人差が大きいため、大人になるまで自身が自閉スペクトラム症であることに気付かなかったというケースも近年多く聞かれます。社会生活のなかで困り事が増え、うつ病や統合失調症などの二次障害を引き起こしてから、自閉スペクトラム症の診断を受けるケースも少なくないのです。

注意欠如・多動症(ADHD)

注意欠如・多動症は大きくわけて以下の3つに分類されます。
  • 不注意優勢型
  • 多動・衝動性優勢型
  • 混合型
注意欠如・多動症の主な症状として、物忘れが激しかったり、じっとしていられなかったりする行動が多く見られます。一方で、これらの症状は、程度は違うものの健常児にも見られる症状であるため、「物忘れが多い子」「落ち着きのない子」などの評価によって障害が見過ごされてしまうケースも少なくありません。

限局性学習障害(SLD)

限局性学習障害は、知的障害を伴わないにも関わらず限局的に学習に困難がみられる障害です。
限局性学習障害は主に以下の3つに分類されます。
  • 書字障害(ディスグラフィア)
  • 読字障害(ディスレクシア)
  • 計算障害(ディスカリキュリア)
これらの特性の他に、発達障害との関連が示唆されている聴覚処理障害(APD)や言語処理障害(LPD)などもあります。

限局性学習障害は就学のタイミングで困り事がでることが多く、本人もこれまで当たり前に過ごしてきたなかで学習に対する困難に直面してしまいます。書字や読字、計算に対する困難が発達障害によるものだと気付けず、周囲から「努力不足」と評価されてしまうケースも少なくありません。

発達障害とグレーゾーンの違い

ボーダーラインのイメージ
発達障害の診断基準を満たさないにもかかわらず、脳の特性による困り事がある人のことをグレーゾーンと呼びます。グレーゾーンは医学用語ではありませんが、近年発達や教育の分野で広く使われるようになった言葉です。

発達障害の診断を受けた人に対しては、受けられる支援の案内がされますが、グレーゾーンの人に関しては自ら情報収集することが求められてしまっているのが現状です。実在はグレーゾーンでも受けられる支援も存在しているため、うつ病や適応障害などの二次障害を引き起こす前に、支援と繋がることが重要と考えられています。

発達障害と併発しやすい障害

2つが併存するイメージ
発達障害は必ずしも単発とは限りません。自閉スペクトラム症と限局性障害を併発するケースや、自閉スペクトラム症と注意欠如・多動症を併発するケースも少なくありません。

その他にも、発達障害と併発しやすい障害や症状として以下が挙げられます。
  • 知的障害
  • 発達性協調運動障害
  • 言語発達遅延
  • チック症
  • 聴覚処理障害
  • 言語処理障害
  • 感覚過敏
  • 感覚鈍麻
  • てんかん
その他、二次障害として鬱病、適応障害、不安障害、強迫性障害なども発症リスクが高いと言われています。

発達障害に見られる主な症状

チェックリストのイメージ
発達障害にみられる症状には個人差があります。ここでは、一般的にそれぞれの発達障害にみられやすいといわれている症状の傾向を紹介します。

自閉スペクトラム症(ASD)にみられる症状

自閉スペクトラム症にみられる症状の傾向として以下が挙げられます。
  • 発語が遅い
  • 強いこだわりがある
  • 反復行動を好む
  • 社会的コミュニケーションをとるのが苦手
  • 相手の表情や声色から感情を読み取れない
  • 冗談や比喩の表現が理解できない
自閉スペクトラム症は、比較的幼少期から発達について指摘を受けるケースが多く、早期発見しやすい傾向にあります。

注意欠如・多動症(ADHD)にみられる症状

注意欠如・多動症にみられる症状の傾向として以下が挙げられます。
  • 忘れ物が多い
  • 失くし物が多い
  • 集中力を保つのが苦手
  • 説明を聞いた後に順序立てて行動するのが苦手
  • 落ち着きが無い
  • じっとしているのが苦手
  • ずっとお話しをしてしまう
  • 順番待ちができない
  • 会話に割り込んでしまう
  • 急に激昂することがある
注意欠如・多動症の症状は現れ方に個人差が出やすいです。なかには、頭のなかで思考が目まぐるしく変わっていき、表面的にはフリーズしてしまっているケースもあります。

限局性学習障害(SLD)にみられる症状

限局性学習障害は、あくまで知的障害を伴わないことが条件として挙げられます。困難を持つ学習行動以外の授業はスムーズに受けられるケースも少なくありません。しかし、どの教科でも読字や識字は求められるため、全体的に成績が低下しているケースもあります。

限局性学習障害にみられる症状の傾向として以下が挙げられます。

読字障害

  • 文字が読めない
  • 「ね」と「れ」など似ている文字を読み間違えることが多い
  • スムーズに文字を読めない
  • 一文字ずつなら読めるものの、文章として捉えることができない
  • 句読点の使い方が理解できない

書字障害

  • 鏡文字になる
  • 文字の形を覚えられない
  • 文章を書けない
  • 助詞が理解できない
  • マスのなかに文字をおさめられない
  • 同音異義語の使い分けができない

算数障害

  • 繰り上がりや繰り下がりが理解できない
  • 九九は暗記できるが、問題に応用できない
  • 単位を使い分けるのが苦手
  • 文章問題が極端に苦手

発達障害児に必要とされている支援

支援のイメージ
発達障害児に必要とされる支援は、大きくわけて以下の2つが挙げられます。

療育支援

療育とは、障害を持つ子どもに対して、自立を目標に実施する支援を指します。「医療」と「保育・教育」を掛け合わせた造語であり、近年は早期療育の重要性が広く謳われています。

特性によって苦手なことを他の行動で補う方法や、特性を持ちつつも日常生活を送れるようにする行動支援を提供するのが一般的です。
また、運動によって身体の機能向上を目指す運動療育や特性による問題行動を減らしポジティブな行動を増やす応用行動分析(ABA)など、さまざまな手法があります。

子どもの特性に合わせた療育を受けることが重要と考えられています。

合理的配慮

合理的配慮とは、障害を持つ人が健常者の中で生活を送るために行う合理的な調整を指します。例えば、聴覚過敏の子どもにイヤーマフの装着を認めることや書字障害の子どもにタブレットを活用した板書を認めることなどが例として挙げられます。

健常者にとっても過度な負担になり過ぎない範囲で、障害を持つ子ども達が社会生活をスムーズに送るための配慮と言えるでしょう。

発達障害児が受けられる2つの公的支援

2のイメージ
発達障害の診断を受けた子どもは以下の2つの公的支援を受けられます。

1.障害者手帳・療育手帳の交付

発達障害の診断を受けると、障害の種類や程度によって障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)や療育手帳の取得が可能になります。これらの手帳を取得することで、等級に合わせたさまざまな公的支援を受けられるようになります。

2.障害福祉サービス

障害の診断を受けた人や医師によって支援が必要だと認められた人は、公的な障害児支援を受けられます。療育センターや児童発達支援事業所、放課後等デイサービスで提供されている療育支援も、障害福祉サービスの一種です。

発達障害の診断を受ける流れ

医師のイメージ
発達障害の診断は、精神科(児童精神科)や心療内科(児童心療内科)、発達外来などの専門医による評価が必要です。

1度の受診で診断がおりることはまずありません。発達障害の診断は、経過観察や発達検査を実施しながら慎重に行われます。

診断が下りるまでの期間は、最短で1~3ヶ月、一般的には6ヶ月以上かかるケースの方が多い傾向にあります。

発達障害について相談できる施設

電話する女性のイメージ
発達障害について相談する際には、以下の施設を検討してみるのがおすすめです。

医療機関

小児科、児童精神科、心療内科、発達外来などの医療機関では、発達障害に関する相談ができます。診断を受ける際にも専門医の受診が必要となるため、まずは困り事や心配事をかかりつけ医に相談してみる所から始めてみてはいかがでしょうか。

保健福祉センター

保健福祉センターでも、育児相談の一部として発達障害に関する相談が可能です。障害者手帳や療育手帳の取得方法や障害によって受けられる公的支援についての相談もできます。

療育センター・発達障害センター

発達障害に対する専門性が高い施設に相談したいのであれば、療育センターや発達障害センターがおすすめです。これらの施設では、療育支援だけでなく相談支援も実施しています。
発達障害の診断を受けていなくても受けられる支援もあるため、まずは困り事を相談してみるのがよいでしょう。

児童発達支援事業所・放課後等デイサービス

発達障害の診断を受けていなくても、医師によって療育を受ける必要性があると判断された場合、児童発達支援事業所や放課後等デイサービスも利用できます。ただし、「障害児通所受給者証」という証明書が必要となるため、医師と相談のうえで利用を検討してみてはいかがでしょうか。

発達障害者や支援者に有益な情報サイト

情報収集のイメージ
発達障害に関する情報にはさまざまなものがありますが、インターネット上には真偽の不確かな情報や誤った情報も数多くあります。
「どうやって情報を手に入れたらいいのかわからない」という人も少なくありません。

そこでおすすめなのが、以下の公的サイトです。
いずれも公的機関が運営しているサイトなので、正しい情報を入手しやすいでしょう。
ぜひ、参考にしてみてください。

発達障害ナビポータル

発達障害ナビポータルは、発達障害情報・支援センターと発達障害教育推進センターが共同運営している情報サイトです。

発達障害者本人やその家族向けの情報と支援機関向けの情報に分けられているため、自分の知りたい情報が見つけやすいでしょう。

成長段階における困り事に対する情報だけでなく、働くための支援や暮らしに役立つ支援などの情報も公開されています。
発達障害ナビポータル

政府広報オンライン

政府広報オンラインは、内閣府大臣官房政府広報室が運営している情報サイトです。
さまざまな国の政策について最新情報や生活についての身近な話題が公開されています。発達障害に関する情報発信もしているため、チェックしてみてはいかがでしょうか。
政府広報オンライン

発達障害情報・支援センター

発達障害情報・支援センターは、国立障害者リハビリテーションセンターが運営する公的機関です。発達障害に対する情報や利用できる制度の情報も発信されています。発達障害について相談できる窓口の情報なども公開されているため、発達障害に悩む人に広く活用されています。
発達障害情報・支援センター

まとめ

今回は発達障害とはどういった障害なのか、必要とされている支援について紹介してきました。発達障害は見た目では判別がつかず、幼少期には子ども特有の行動として見逃されることも多いです。

しかし、障害児本人にはさまざまな生きづらさが存在し、「なぜ自分は周囲の人と同じようにできないんだろう?」と悩んでしまうケースも珍しくありません。

過度に発達障害について心配し過ぎるのも問題ですが、まずは小さな違和感や困り事を誰かに相談し、第三者の意見を聞くことが大切です。今回紹介した情報を元に、「もしかしたら発達障害かもしれない」と悩んでいる当事者や家族の方は、悩みや困り事を相談することから始めてみてください。

療育bizは、全国に対応している療育専門の転職サイトです。
療育業界出身のコーディネーターが最適な求人のご提案をさせて頂きます。

お気軽にお問い合わせください

求人を提案してもらう(無料)