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保育士をやめたい理由や退職の際に押さえるポイントを紹介!転職需要の高い業界についても

考える保育士
保育士として保育園に勤めているものの、さまざまな理由で退職したい・辞めたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

しかし「こんな理由で保育士を辞めてしまっていいのかな」「どうやって辞めることを伝えればいいだろう」「保育士を辞めた後、再就職できるのか」など不安を感じて悩み続ける人も少なくありません。

今回は、そんな保育士の退職事情について紹介します。保育士が仕事を辞めたいと思う理由や辞めるタイミング、保育士資格は多業種で需要があるのか、などを解説。今現在、保育士の仕事を辞めようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

保育士の離職率

保育士は小さな子ども達の憧れの職業であると同時に、ハードな勤務体制や低収入など就業環境の不遇から起こる離職率の高さが度々問題として取り上げられています。

厚生労働省が令和2年に発表した資料によると平成29年度時点における保育士の離職率は全体で9.3%、私立保育園にいたっては10.7%とという統計が出ています。単純計算で10人に1人が離職しているということが分かります。

また常勤で従事している保育士の年代別の割合をみてみると、もっとも少ないのが勤続12~14年未満(5.8%)、もっとも多いのが14年以上(30.1%)という結果がでています。
全体を占める割合としては8年未満の勤続経験を持つ層がもっとも多く、逆に言えば約8年を目途にさまざまな理由で退職してしまっている人が多いということが分かりますね。
参考:厚生労働省【保育士の現状と主な取組】

保育士資格を持っているが保育士として働いていない人も多い

保育士は、資格を持っているが保育士としての仕事に従事していない潜在資格者が多い職業でもあります。

特に、資格取得後に保育士となることを諦める割合が約15%にも上り、保育士に憧れて進学先を決めたものの、実習などを通して「自分には荷が重い」「向いていない」と感じる人も多いようです。

保育士が仕事をやめたいと思う理由

保育士として従事するなかで、喜びややりがいを感じる一方さまざまな不遇や不満を感じるシーンもあるでしょう。喜びややりがいがある仕事だからこそ「こんな不満でやめたいと思う自分の考えは甘いのかな?」と悩んでいる人も多くいます。

続いては、保育士が仕事をやめたいと思う理由についてみていきましょう。実際に離職・転職を決意した人のなかには以下の理由で保育士をやめた人が多い傾向にあります。

人間関係が悪い

保育園は、同等の資格者のみで構成される閉鎖的な集団であるため人間関係のトラブルが起こりやすい傾向にあります。勤続年数などで発言権に差が出てしまうことも多く、保育士同士の輪に上手く入れないことで連携した保育ができなかったり、居心地の悪い思いをしたりするケースもあるでしょう。

目の前の園児の保育に情熱を注ぎたいのに、他の保育士の機嫌や顔色を窺わざるを得ない状況に辟易して保育士をやめたいと考える人も少なくありません。

給与に不満がある

保育士の平均年収は令和1年時点で364万円という調査結果がでています。しかし、この数字は継続年数が長い人も短い人も含めた平均額です。実際は、さらに低い年収である人も多いでしょう。

令和元年賃金構造基本統計調査によると、全業種における「決まって支給する現金給与額」の平均が338.000円に対し、保育士は244.500円と大きく下回る結果が報告されています。

増税や物価高により、現状の給与では生活が立ち行かないことから、やめたいと考えている人もいます。

仕事量が多い

保育園の方針や運営状況にもよりますが、保育士の仕事は早朝から深夜まで長時間にわたるケースが少なくありません。近年、共働き家庭の増加や両親共にフルタイムで就業しているケースが増えてきたことから、時間外保育の需要も高まり、保育士は長時間勤務を強いられる傾向にあります。

もちろん、シフト制で労働基準法に抵触しないよう勤務時間は調整されていますが、早朝の出勤や深夜の退勤に疲弊している人も多いでしょう。制作物や配布物の作成などの持ち帰り仕事があるケースもあり、仕事量の多さからプライベートな時間がとれず、ライフワークバランスが偏ってしまうという悩みも多く聞かれます。

責任が重い

保育士として子どもに関わる仕事をしたいと思ったものの、責任の重さに耐えられず仕事をやめたいと考える人も少なくありません。保育中は、子どもに関する全責任を保育士および保育園が担うことになります。

保育体勢の不備などが原因で重篤な事故が起こってしまったニュースなど見かけ、自分を省みつつ責任の重さを痛感している保育士も多いでしょう。責任の重さに関する悩みは、主に研修体制が整っていない保育園に勤務している保育士に多くみられます。

子どもの命を預かっているにも関わらず、実務経験の少ない保育士がいきなり現場で保育を任されるケースもあり、保育園の安全対策の甘さ、研修体制の不備から自信を持って仕事に取り組めなくなってしまう保育士が多いようです。

保育士が仕事をやめられない理由

仕事をやめたいと考える保育士がいる一方で、さまざまな理由で「保育士の仕事をやめにくい」と悩んでいる人もいます。

人手不足で引き止められるから

保育園の人員が不足している場合、「あなたが辞めると保育が回らなくなる。新しい人が入ってくるまで辞めないでほしい」と言われ、なかなか退職できないといったケースも多く聞かれます。

もちろん、退職することを決定したうえで保育園側の要望を受け入れるのも有りでしょう。これまで一緒に働いてきた人達や園児がなるべく困らないよう、穏便に退職したいと考える人も多いです。

しかし、こういった好意につけ込んで「求人を出しているが応募がない」「新しい従業員が入ったけれども、あなたのポストを埋められる程の経験者ではない」など、何かと理由を付けて退職時期を伸ばそうとするケースも実際にあります。

充分な人員の確保は、保育園の運営者が運営責任として行うものです。人手が足りないことは保育士個人の責任ではありませんし、退職との天秤にかけた際に考慮しなければいけないことではありません。

穏便に退職したいという気持ちがあるのは当然ですが、先延ばしされた期間の間にできる事がたくさんあることも考えてみてはいかがでしょうか。これから退職する保育園が人手不足であることは、本当に自分の限られた時間を使ってまで自分が対応しなければいけないことなのかをよく考えてみてください。

年度途中でやめにくいから

保育や教育に関わる職業の場合、年度途中の退職に抵抗を感じる人も少なくありません。また、独自の就業規則として「退職の際には年度末に」などの制約を設けている保育園もあります。

しかし、法律上「2週間前の申告で仕事を辞めることができる」と定められています。(民法第627条1項【期間の定めのない雇用の解約申し入れ】より)

就業規則によって「年度末でなければ退職は認めない」と定められていたとしても、保育園側には就業の自由を侵害する権利はありません。法律上でも就業規則より民法が優先されます。

とは言え、実際に2週間前に退職を申し出るのは世間一般的に非常識と捉えられることが多いでしょう。できれば3カ月前、遅くとも1ヶ月前までには退職を申し出るのが望ましいです。

年度末に退職した場合、他業種においても採用活動が終了しているケースが多いです。すぐに転職をしたいと考えている場合、年度末の退職は転職活動が不利になる可能性が高いでしょう。

退職時期は、今後働きたい業種や採用活動の時期を見据えて慎重に検討する必要があります。

保育士が仕事をやめるときのポイント

保育士が仕事をやめるときには以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。

最初に退職届を提出する

保育士の仕事をやめたいのに辞められない人に多いのが「退職の打診をしたら引き止められた」というものです。

給与アップや残業の減少など、条件が整えば仕事を続けてもよいというのであれば別ですが、既に明確に辞めることを決めているのであれば打診は無意味です。むしろ、退職届を提出する前に打診をすることで、「人手不足だと言えば退職を考え直してくれるかも」とさまざまな方法で退職を引き止めようとするきっかけを作ってしまうことになりかねません。

相談をする前に希望の退職時期を明記した退職届を提出し、辞職の意思をはっきりと伝えましょう。擦り合わせによって条件に変更があった場合は、再度退職届を作成し直す必要がありますが、結論を先に出すことで話をスムーズに進めることができるでしょう。

計画的に引継ぎを行う

社会人として仕事をしているなかで、できる限り周囲の人の負担を抑えて退職するというのも一種のマナーと言えます。

自分が担当していた業務について、退職日から逆算し計画的に引継ぎを行いましょう。

人間関係の問題で退職する際や周囲の保育士が引継ぎに前向きでない場合、書面に残しておく方法もあります。退職後「あの仕事ってどうやるの?」など、質問をされても「書面に残してありますので確認してください」と対応できるでしょう。

在職中に転職活動を始める

保育士をやめた後、なるべく早く仕事に就きたいのであれば、退職までの期間中に「退職予定」として転職活動を始めておくのがおすすめです。

転職活動をする際、無職の期間が長いほど書類選考などでマイナスな印象を与えやすくなります。退職期間までの時間を無駄にせず、現職と平行して転職活動をしておきましょう。

保育士をやめたいけど子どもに関わる仕事はやめたくない?

保育士をやめたいという人に多く聞かれるのが「保育士はやめたいけど子どもに関わる仕事をしていたい」という要望です。

子どもが好きで、子供と関わる仕事をしたくて保育士になった人が多い背景を考えると、当然と言えるかもしれませんね。世の中には、保育園で勤める保育士以外にも、子どもに関わる仕事はたくさんあります。

転職活動のメインの条件として「子どもに関わる仕事」を探してみるのがよいでしょう。

実際に、保育士資格は子どもに関わる職種において需要が高い傾向にあります。まずは、子どもと関わる仕事にはどんな職業があるのかを考えてみるのがおすすめです。

保育士の需要が高い業界とは

業界によっては、保育士資格に高い需要があります。保育士資格を活かして、子どもに関わる仕事をしたいのであれば、以下の業界をチェックしてみるのがよいでしょう。

保育業界

保育園を始めとする保育業界では、当然ですが保育士資格の需要が高いです。保育園勤務のほか、企業託児所やベビーシッターなど保育園とは全く違う形で保育に携われる仕事もあります。

幼児教育業界

保育士の資格を必須とする訳ではありませんが、お勉強や英会話、スポーツ、芸術などさまざまな幼児教育を行うスクールなどで、子どもの扱いに長けた保育士の需要があります。

自分自身も専門的な研修を受けて幼児教育に携わるケースや、専門講師のアシスト役として子ども達をサポートするケースなど、仕事内容は多種多様です。

児童福祉業界

生活環境や心身の障害など、さまざまな問題を抱えた子供達を支援する児童福祉業界では、保育士資格者の需要が高いです。健常児の保育とは異なることも多いですが、さまざまな資格者や他機関と連携して支援に取り組むため、じっくりと児童福祉について学びながら取り組むことができるでしょう。

職種によっては、関連する他の資格をとってスキルアップをしていくこともできます。

障害児福祉業界で保育士として第2の人生を始めてみませんか?

保育士が仕事をやめたいと考える理由や退職方法について解説してきました。退職にはメリット・デメリット両方があるため、慎重に検討することが大切です。
あなたの限られた人生を有意義に過ごすために、やめたいと思っている原因とよく向き合い、考えてみてはいかがでしょうか。

また、やめることを決意した人は、今回紹介した方法で計画的に退職までの日々を過ごしてみてください。転職活動についてもよく考え、ぜひ輝かしい第2の人生を歩きだしてくださいね。
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