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保育士の転職におすすめの職業は?保育業・異業種への転職方法や転職のポイントも紹介

保育士の転職率

近年、出産を機に退職した人の社会進出を推奨するために「子どもの居場所」が求められています。

保育園や幼稚園、学童保育など、福祉や教育の場に子どもの居場所を確保する取り組みが行われています。その中でも、最も大きな比率を占めているのが保育園です。

園によっては0歳から就学前の子ども達が「第二の家」として過ごす保育園。そこで働く保育士は正に「第二の保護者」と呼べる存在でしょう。

しかし、長時間労働、低賃金など保育士を取り巻く労働環境は問題点が数多く、さまざまなメディアで取り上げられることも少なくありません。

厚生労働省が発表した資料によると、2017年の保育士の離職率は9.4%でした。約10人に1人は保育士として務めていた保育園から退職しています。

直近のデータで保育士に限定した離職率は明確に発表されていませんが、ほぼ同様に推移していると考えてよいでしょう。

参照:厚生労働省 保育士の現状と主な取組
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf

保育士が転職を検討する理由

保育士からの転職を考える際「こんな理由で退職してもいいのかな」と不安を感じる人も少なくありません。特に、転職経験が無い人は、退職の理由について深く考え過ぎてしまうこともあります。

続いては、保育士が現在務めている保育園の退職を検討した理由についてみていきましょう。

職場の人間関係に不満がある

保育士の退職理由として一番多くの賛同を集めたのが「職場の人間関係に不満があるから」です。

保育士同士の派閥や園長など役職者によるワンマン運営、パワハラ、職場内での嫌がらせなどが理由で退職を検討する人も多くいます。

また、男性保育士の場合「保護者が受け入れてくれない」など、保育士同士以外の人間関係に問題があるケースも少なくありません。

給与が安い・上がらない

続いて保育士の退職理由として挙げられるのが給与に関する不満です。

政府は保育士の処遇改善のため国家予算の増設など、さまざまな政策を打ち出しています。2022年度の保育関係予算は厚生労働省予算として951億(前年より+4億)、内閣府予算として1兆9,965億円(前年より+863億)とされています。

しかし、実際に保育士の給料に大きく反映されている訳ではありません。2020年に行われた賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均給与額は24万9,800円です。これは、新卒保育士から園長クラスまで全ての平均額ですから、決して高いとは言えない金額でしょう。また社会保険や厚生年金、税金などを差し引かれた結果手取りが20万円を下回るケースが多いと言えます。

昇給も比較的難しいケースが多く、物価が上昇し続けるなか保育士の給与で生活していくことが困難と感じ、退職を検討する人も少なくありません。

参照;令和4年度 保育関係予算等の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/000931609.pdf

賃金構造基本統計調査https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001152186&tclass2=000001152187&tclass3=000001152191&cycle_facet=tclass1%3Atclass2%3Acycle&tclass4val=0

仕事量が多すぎる

給与と同じく多くの保育士が感じているのが「仕事が多すぎる」という不満です。単純に仕事量が多いというだけでなく「仕事量と給与が見合っていない」とも言えます。

保育士の仕事は雑務が多く、子ども達の保育の合間に保育日誌などの記入をする他、子ども達の降園後は施設の清掃、翌日の保育・学習の準備、時には自宅に持ち帰って制作などを行うケースも多いです。

特に、自宅に持ち帰る場合は残業手当などを申請できないケースも多く「やりがいというオブラートに包まれて労働力を搾取されてる」なんて声もあります。

仕事量が多すぎることで身心の健康に支障をきたし、保育士を続けたくても辞めざるを得ない状況に陥ってしまったという人もいます。

保育士はどんな理由で退職している?

退職を検討する理由について共感する部分があったとしても、「人間関係に不満があるので退職します」と面と向かって職場の上司に伝えるのは難しいでしょう。

社会人として生きる中で「本音」と「建前」は案外大切なものです。厚生労働省が発表している資料によると、保育園の退職理由は以下のようなものがありました。
  • 転職(保育関係)
  • 結婚
  • 体調不良
  • 異業種への転職
特に、転職や結婚などを理由に退職する人が全体の多くの割合を占めています。

参照:保育士の現状と主な取組
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf

保育士の転職先にはどんな職業がおすすめ?

保育士から転職するに当たり、転職先のビジョンを明確に持っている人もいれば「どんな仕事ができるんだろう」と、まだ悩んでいる人もいるでしょう。

続いては、保育士におすすめする転職先について紹介していきます。

保育士資格取得にかかった費用は約〇万!資格を活かさないのは勿体ない

保育士資格を取得するのにかかる費用は200~400万円と言われています。四年制大学、短大、専門学校など学ぶ形態によって変わるものの、国家資格である保育士免許を取得するために高額のお金をかけたことは無視できないでしょう。

どうせなら、保育士資格を活かした転職をしたいという人も多いです。

保育園への転職や託児所、児童養護施設、福祉施設など、就業に保育士資格を必要とする転職先を選んでみてはいかがでしょうか。

また、ベビーホテルや子供向けスクールなど保育士資格を持っていることで、就業条件の優遇を受けられる仕事もあります。

【具体例1】別の保育園や託児所

別の保育園に転職する場合、認可保育園、認可外保育園、企業内に設置された託児所などさまざまな選択肢があります。

それぞれに手当てや給与、就業時間、福利厚生なども異なるため、条件面でよく検討するべきです。

特に託児所の場合、対応年齢や対応時間についても確認しましょう。場合によっては24時間体制の託児所などもあります。夜間勤務が発生する分、高収入が期待できますが、生活リズムが昼夜逆転してしまうデメリットも考えられます。

一方、企業内に設置された託児所は、企業職員の子どものみを就業時間内に限って保育するため、定時で退勤できる可能性が高いです。しかし、就業条件がよいことで離職率も低く、なかなか求人が出にくい面もあります。

【具体例2】福祉施設

保育士の資格を活かすのであれば、乳児院や児童養護施設、療育センターなどの福祉施設も候補にあげてみるとよいでしょう。

子どもを保育するという点に関して、これまで保育園で培ってきた経験やスキルを充分活かすことができます。

一方で、さまざまな理由で親元を離れた子どもの保育をする乳児院や児童養護施設では、これまでに無い対応を求められることがあるでしょう。

また、発達障害児などを対象にした療育を行う療育センターでは、療育に関する知識の獲得も求められる可能性があります。

これまでの保育士としての知識や経験に加え、新たな知識や対応方法などを学ぶ向上心のある人におすすめです。

【具体例3】幼稚園や子ども園

現在、認定こども園法改正に伴い、幼稚園教諭免許取得に関する特例制度が制定されています。

この特例制度によって、保育士資格を取得し3年間かつ4,320時間以上の実務経験を持つ保育士は、幼稚園教諭免許の取得がしやすくなります。

子ども園では、幼稚園教諭免許、保育士免許の両方が必要なため、特例制度を活用して幼稚園教諭免許を取得すれば、幼稚園や子ども園への転職も可能になります。

ただし、上記特例制度は2025年までの期間限定とされているため、利用を検討する人は早めに申請・単位取得などを行いましょう。

参照:厚生労働省 幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/hoiku/tokurei.html

新しい道を開拓する?保育士に関係しない異業種転職もあり

保育関係以外の仕事をしてみたいと考える人は、異業種への転職もよいでしょう。

事務職や営業職のように無資格でも比較的求人が多く出ている職業や、介護職のような就業しながら専門資格の取得ができる職業もおすすめです。

また、ITや医療系など専門知識を必要とする職業につきたい場合は、事前にセミナーや通信スクールなどで学習してから転職に挑んでみてはいかがでしょうか。

【具体例1】事務職

異業種への転職で特に希望が多いのが事務職です。特に、保育士は四六時中子ども達への対応で動き回るため「デスクワークをしてみたかった」という動機で事務職を選ぶ人も少なくありません。

事務職は、無資格でも求人が多く出ていますが、実際は簿記やPC関連の資格所持者が優遇される傾向にあります。業種も、一般企業の事務から医療事務、士業事務など専門性の幅が広いのも特徴です。

【具体例2】介護職

未経験者の求人が多く出ており、就業しながら介護に関する資格取得などもしやすい介護職。しかし、就業条件はそれほど高くなく、保育士と同じく給与水準の低さが問題になっています。

パートなどで短時間働きたい人や、年配の方との触れ合いが好きな方に向いている仕事です。

【具体例3】看護師

保育士から異業種へ転職する際に、意外と多く選ばれているのが看護師です。退職後しばらくの間ゆっくりしたいという人が、学校に通って看護師資格を取得するケースも多く「手に職を」と新たなスキルを身に付けて転職活動をしています。

求人が多い一方で、2022年現在感染症の流行による医療崩壊なども起こり決して容易な仕事とは言えません。

専門性の高い仕事をしたい人、やりがいのある仕事をしたい人などに適しています。

保育士の転職を成功させる方法

情報収集や面接など、転職活動は大変なものです。次の転職先で長く務められることを願って転職活動を頑張る人も多いでしょう。

最後に、保育士が転職を成功させるための方法を4つ紹介します。ぜひ転職活動の参考にしてみてください。

転職に有利な時期を狙って退職する

それぞれの業種には求人を出す時期があります。特に集団採用の時期を狙うのであれば、一般企業は秋、保育関係だと年始に採用活動が活発化する傾向にあります。これは新学期からのクラス編成に向けて、準備をするためであると言えるでしょう。

また、離職による欠員を補充するために年中採用活動をしている会社もありますが、必ずしも希望する職種の求人が出ている確証はありません。

保育士が退職しやすいタイミングもよく考える必要があります。保育士が退職しやすいタイミングは3月です。担任として受け持っているクラスの進級や卒園のタイミングでの退職を勧められることが多いでしょう。

しかし、再び保育関係で仕事をしたい場合、採用活動が活発化している時期を過ぎてしまっている為不利なタイミングの退職とも言えます。

保育士であっても職業を選ぶ・辞める権利は自由です。子ども達や他の職員に配慮することも大切ですが、自分の人生を重視するマインドも時には必要です。

退職を検討している時点で担任を外してもらうのが最もよい方法ですが、既に担任を受け持ってしまっていたり、担任を断れない場合は夏頃に年内に退職したい旨を伝えてみてもよいのではないでしょうか。

事前に資格を取得する

希望する職種に資格を必要とする場合や、資格を取得することで就業条件に優遇を受けられる場合は、転職活動をする前に資格を取得するのがおすすめです。

保育士を退職した後、少しの間仕事をせずにゆっくり過ごしたいと思う人も多いでしょう。また、3月に退職したことで採用活動の活発な時期を逃してしまったという人も、次の採用時期までの間に資格を取っておくのがおすすめです。

資格を取得することで、転職活動へのモチベーションを高める効果も期待できます。

転職フェアに参加する

転職活動で気を付けたいのは、前職で不満に思ったことを繰り返さない職場(職業)を選ぶことです。

特に、転職先企業の職種すら決まっていない人の場合、「求人が出ていたから」という漠然とした理由で転職してしまうと、同じ理由で退職したくなってしまうかもしれません。

転職フェアでは、様々な企業がブースを出展いています。求人活動をしている企業の採用担当などに直接質問をしたり、会社の雰囲気を聞いたりすることもできるでしょう。

特に、転職先の業種が決まっていない人は、異業種が集まる大規模な転職フェアに参加して、それぞれの業種による違いなどを比較してみるのがおすすめです。

コーディネーターに相談する

近年、転職情報サービスなどでコーディネーターに相談するサービスを行ったり、転職エージェントに依頼して希望条件に添う企業を探してもらうサービスなども増えています。

世の中には、さまざまな求人があります。その中から、自分で希望条件に合う企業を探すのは簡単なことではありません。

そこで、自社が保有している求人情報の中から転職先の候補を探してくれるコーディネーターに相談するのがおすすめです。

希望条件についても「給料〇万円以上」「週休2日」などの漠然とした内容から、コーディネーターが深堀してくれるメリットもあるでしょう。

「給料〇万円の内、交通費は別途必要?基本給の希望は?福利厚生の希望は?」など、コーディネーターとやり取りする中で希望条件を細かく考えることもできます。

保育士の転職については以下のコラムでも詳しく紹介しています。
保育士の転職について知りたい人はぜひ参考にしてみてください。


【保育士の転職は多種多様!優良求人の探し方】のページはこちらをクリック


【保育士から療育業界に転職する時の志望動機は何を書く?好印象な志望動機の書き方を紹介】のページはこちらをクリック

保育士の転職を成功させよう

子ども達の笑顔を守り育む保育士の仕事は、社会にとっても重要な職業のひとつです。しかし、そこで働く保育士が不満に感じることがあるのであれば、転職を検討するのも当たり前なことです。

保育士も自分の人生を生きる1人の人間です。豊な毎日を過ごすために今回紹介した内容を参考に転職を成功させてください。
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