1. TOP > 
  2. 療育の転職コラム > 
  3. 療育のお悩み相談 > 
  4. 保護者からのクレーム対処法

保護者からのクレーム対処法

障害を持つ子どもたちの支援を行う仕事では、施設によっては保護者から子どもを預かることになりますので、子どもに何かあったときなどにクレームやトラブルにつながることがあります。
クレームやトラブルを完全になくすことは難しいですが、ちょっとした対処法を知っておくと被害を減らせたり、防ぐことも可能です。
頭に入れておき、実際起こったときに活かせるようにしておきましょう。

療育の仕事については以下のコラムでも詳しく紹介しています。
療育の仕事について知りたい人はぜひ参考にしてみてください。


【療育の仕事内容ってどんなもの?一日の流れや支援に必要な資格とは】のページはこちらをクリック

クレームやトラブルはなぜ増える?

このような発達支援の現場に限らず、小学校や中学校などでも、保護者からのクレームというのは増加の傾向にあります。
数年ほど前から「モンスターペアレンツ」といった言葉が生まれ一般的に馴染みのある言葉として浸透してきました。
昔に比べると明らかにこういったクレームが増えているのはなぜなのでしょうか。

これには、大きく2つの理由が考えられます。
一つは、現代は昔と違い核家族が普通になっており地域ぐるみでの付き合いがなくなってきたことなどから、子育てにおいても人と関わる機会が減ってしまったことです。
そして二つ目は、少子化により親が子ども一人だけに対して愛情を集中する状態になり、溺愛してしまうことです。
自分の子どもに対して異常なほど過保護になってしまい、それがクレームにつながっているのですね。

クレームやトラブルの原因

では、実際にどのようなクレーム、トラブルがよく起こるのかみてみましょう。

保育士の態度が悪い

一般的によく起こりやすいのが、保育士の態度が気に入らないという理由ではないかと思います。
「言葉遣いが悪い」「子どもへの接し方がひどい」「挨拶をしない」など挙げればきりがありません。
言葉遣いは気をつけていたとしても、うっかり良くない言葉が出てしまうこともあります。
そもそも言葉遣いが悪いかどうかも人によって判断が変わるため、曖昧な判定になります。

接し方がひどいというのも、実際にひどいケースもあるのかもしれませんが、過保護な保護者だと自分の子どもは特別扱いして欲しいと考える人もいますので、たまたまほかの子供と接し方の差が出たときを見られていたとしたら、クレームに発展するのは避けられないでしょう。

挨拶をしないことに関しては、本当にしないならもちろん問題ですが、子どもの対応をしていて気づかなかった、声が聞こえなかったなどの理由でできなかったということもあるでしょう。
これはサービス業ならよくあるクレームで、児童指導員だけに限ったことではありませんので、永遠のテーマになりそうです。

以上のことはどれも「たまたま悪いところを見られた、勘違いされた」というケースが多いかと思います。
児童指導員は常に子どもを見守る立場ではありますが、その前に人間ですので一瞬たりとも気を抜かずに業務を遂行するのは難しいでしょう。
そんな一瞬の隙を突かれてしまうとつらいものがあります。

行き違いや誤解からのクレーム

もののとらえかたというのは人それぞれですので、少し言い方が悪かっただけで苦情を言われていると勘違いされたり、行き違いがあったりでクレームつながることもあります。
具体的な例を一つ挙げてみましょう。
例えば、障害を持っている子に関しては気になることも多くなりますので、療育の視点から対処法やアドバイスなどを保護者に伝えることもあります。
そのときに我が子の悪口を言われていると捉えられてしまう、といったことです。

そういったトラブルの経験があって、神経を注意させて言葉を選んでいたとしても勘違いされることもありますが、とにかく言い方には注意する必要があります。

保護者からのクレームにどう対処する?

実際に保護者からのクレームがあった際は、どのように対処していけばいいのでしょうか。

相手の言い分を良く聞くこと

人は怒っているときは我を忘れてしまうもので、できるだけ相手を刺激しないようにするためにも、相手の言い分を良く聞くことがもっとも大切です。
言わんとしていることを理解しようとせず、まずこちらの言い分を伝えようとしたり、相手のせいだというニュアンスで反論してしまうと、火に油をそそぐようなもので余計トラブルが悪化してしまいます。

相手が言っていることをしっかり聞いたうえで、こちらの言い分を冷静に伝えれば、できるだけ大事に発展せず穏やかに済ませることができます。
もし、相手が勘違いをしているなら、それを相手のせいではないということをしっかり伝えたうえで、勘違いしていることに気づいてもらう必要があります。
ともかく一番大事なのは相手の話を聞こうとする姿勢です。

相手の立場になって考えること

相手が何に不満を持っていて、どんな解決方法を望んでいるのかということを良く知らなければなりません。
しっかり相手の立場に立つことができれば、迅速にトラブルを解決することができるでしょう。

何かを頼む際には命令にならないように

時には保護者の方へ、何かをお願いしなければならないこともあるかと思います。
そのときは「〜してください」などの強制命令のような言い方は避けるべきです。
ちょっと言い方が悪いと、要求されたり命令されているように感じてしまい不快感を抱く保護者もいます。

仮に保護者側が当たり前にやるべきことであったとしても「〜していただけますか」「〜していただけると助かります」のような言い方がベストです。
このような言い方だと悪い気分にはなりづらく、トラブルを防ぐこともできます。

実際のクレームに対してすぐに謝らない

日本人には何かあったらすぐに謝ってしまう風潮があるため、クレームに対しては反射的に謝罪してしまう人も多いでしょう。
クレームに対してはしっかり確認を取らなければ、本当にこちらが悪いかはわかりませんので、謝らず一旦保留にしましょう。
もちろんこちらが悪いとわかればちゃんと謝る必要があります。

この対応をしていると「あなたはまったく謝らない。悪いと思っていないの?」のような言い方をされることもあるかと思いますが、悪いかどうかもわからないの状態で安易に謝るのも考えものです。
すぐに謝る人だと思われて、ちょっとしたことでもクレームに発展する可能性があります。
そうなると、自分だけでなく施設全体や同僚にも迷惑をかけることにもなりかねませんので注意しましょう。

問題が大きくなりそうな場合は早めに上司に相談を

問題が大きいと、一人だけで対応するのに限界を感じることもあるかもしれません。
そんなときは、早めに上司に伝えるようにしてください。
トラブルの解決が遅れれば遅れるほど、保護者を苛立たせてしまうことにも繋がります。
もっともそこまで大きな問題だと、保護者側も責任者を要求してきて、すぐ上に伝わると思いますが。

そもそもクレームが起こらないように気をつける

クレームが起こらないように、クレームやトラブルにつながりそうなことは、できるだけ早い段階からその芽を摘み取っておくことが肝心です。
人は不満を持っていると、それをなかなか隠すことができないため、普段の何気ない会話や愚痴などから、何に不満を感じているかを知ることができます。

それがわかったらできるだけ早く、トラブルに繋がる前に対策しておくことです。
可能であれば、その不満が解消できたことを伝えると、保護者は満足して信頼も得ることができます。
気をつけていてもどうにもならない場合もありますが、それでも気をつけないよりはクレームは減るはずです。
クレームはこのような支援を提供する場合、決して避けられないことです。
大事なのは完全になくすことに注力するよりも、クレームが起こる前提で、起こったときにどう対処するかを考えておくことです。
こういったトラブルがあると、健全な支援にも悪影響が出てきますので、しっかり対処方法を学んで実践していきたいですね。

療育bizは、全国に対応している療育専門の転職サイトです。
療育業界出身のコーディネーターが最適な求人のご提案をさせて頂きます。

お気軽にお問い合わせください

求人を提案してもらう(無料)