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療育における理学療法士の仕事とは?需要や役割・一日の流れも紹介

理学療法士ってどんな職業?

理学療法士とは英語でPhysical Therapist(PT)と呼ばれる資格職です。Physicalとは、「身体的な」という意味を持っており、Physical Therapistは「身体的な(Physical)専門家(Therapist)」と直訳できます。

理学療法士は、人間の動作におけるスペシャリストと言ってもよいでしょう。動作の回復や維持、悪化予防などを目的に、医学をベースとしたリハビリを行う専門職です。

理学療法士はどうすればなれるの?

理学療法士は国家資格です。理学療法士になるためには以下のいずれかのルートで単位を取得し、国家試験に合格する必要があります
  • 文部科学大臣指定の大学(4年制)に入学・単位を取得する
  • 文部科学大臣指定の短大(3年制)に入学・単位を取得する
  • 文部科学大臣指定の専門学校(3年制もしくは4年制)に入学・単位を取得する
どのルートにおいても、必ず高等学校卒業資格相当が必要です。単位を取得するまでには臨床実習などもあり、専門的に理学療法を学んだことが単位の取得として証明されたうえで、国家試験を受けることができます。

作業療法士や言語聴覚士は理学療法士になれる?

同じリハビリ系の資格で作業療法士や言語聴覚士という資格もあります。これらの資格をすでに持っている人は、養成学校で2年間学び必修単位を得ると、国家試験を受けることができます。

理学療法士の就職先

理学療法士はさまざまな分野から求められる職業です。
主な就職先には以下のものがあります。
  • 病院
  • 介護施設
  • 児童発達支援施設
  • スポーツ関連企業
  • 一般企業
病院や介護施設、児童発達支援施設などのほか、最近はスポーツドクターや産業医として理学療法士を求める企業も増えています。

療育業界では理学療法士の需要が高い

療育とは、障害を持つ子どもの発達を促し、日常生活を快適に過ごせるよう支援することです。療育施設では、身体的、福祉的、心理的、教育的な支援などが含まれ、児童指導員や保育士、児童発達支援管理責任者、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などさまざまな専門家が連携して支援を行っています。

基本的に療育施設の配置基準として理学療法士は含まれませんが、専門的な機能訓練などを行う場合には、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士いずれかの配置が必要です。

特に、近年運動療育などを積極的に取り入れる療育施設も増えているため、業界内で理学療法士の需要が高まっています。

児童発達支援(療育)については以下のコラムでも詳しく紹介しています。
児童発達支援(療育)について知りたい人はぜひ参考にしてみてください。


【療育とは?種類や仕事内容】のページはこちらをクリック

療育施設による違い

療育施設は大きく分けて「児童発達支援センター」「児童発達支援事業所」「放課後等デイサービス」の3つに分かれます。

それぞれの違いについてもみていきましょう。

児童発達支援センター

児童発達支援センターは、自治体や医療法人などが運営する支援施設です。

就学前の児童を対象とした地域の児童支援センターとして位置づけられ、福祉型と医療型に分かれています。特に、医療を必要とする医療型児童発達支援センターでは専門的な支援が多いため、理学療法士の需要も高い傾向にあるでしょう。

比較的規模が大きく、保育園や幼稚園など他の機関と連携して支援に取り組むこともあります

児童発達支援事業

児童発達支援事業は民間企業や団体が運営する支援施設です。

児童発達支援センターと同じく就学前の児童を対象としており、最新の支援サービスから独自性の高い支援など施設ごとにさまざまな形で児童発達支援に取り組んでいます。児童発達支援センターに比べると設置数が多く、小~中規模で運営しているケースが多いのも特徴のひとつです。

療育施設の違いについては以下のコラムでも詳しく紹介しています。
療育施設の違いについて知りたい人はぜひ参考にしてみてください。


【児童発達支援センターと児童発達支援事業の違い】のページはこちらをクリック

放課後等デイサービス

児童発達支援センターや児童発達支援事業と異なり、対象は小学生1年生相当から18歳までとされるのが放課後等デイサービスの大きな特徴です。

学校が終わった後や、休校日となる土曜日、夏休みや冬休みなどの長期休暇を利用して支援を行います。

ソーシャルトレーニングや学習など、学校を基本とした社会での生活訓練をベースとした支援が多くなることも特徴のひとつと言えるでしょう。

療育における理学療法士の対応領域

理学療法士はさまざまな領域に対応しますが、療育においては主に発達障害領域に対応します。

発達障害領域では子どもに合わせた心身の発達サポートを行います。発達障害だけでなく、診断がついていないものの発達に遅れが見られる子どもの対応などを行うこともあるでしょう。
特に、子どもに合わせた発達サポートは、理学療法士の知識だけでなく発達障害や特性についての理解も求められます。

療育における理学療法士の役割

病院などで働いている理学療法士の場合「療育施設では、どんな仕事をするんだろう?」とイメージができない人も多いのではないでしょうか。

療育では、理学療法士に以下の役割を求められることが多いです。

専門性の高い発達支援

療育では、個別の発達支援計画に基づき児童指導員や保育士などと協力して発達支援を行います。そのなかでも、理学療法士には特に専門性の高い支援を求められるケースが多いです。理学療法士としての知識や経験を活かして、発達障害の子ども達をサポートします。

他スタッフへの専門性を持つ指導

共に支援を行う児童指導員や保育士などのスタッフは医学的な知識を持っていないケースが多いです。そのため、理学療法士が医学的な視点を持った指導を行うこともあります。

保護者のサポートと指導

児童発達支援では、子どもだけでなく家族も支援の対象となります。家族は子どもの持つ特性をどのように理解して生活すればよいのか等、サポートや時には指導を行うこともあるでしょう。

地域支援

児童発達支援センターの場合、包括的な地域支援の役割を求められることもあります。保育所や幼稚園などの機関と連携して児童支援を行うため、訪問や情報共有などを担当するケースも多いです。

療育における理学療法士の1日の流れ

続いては、ひとつの例として児童発達支援センターにおける理学療法士の1日の流れを紹介します。施設によってタイムスケジュールや業務内容に違いはありますが、理学療法士の働き方をイメージする参考にしてみてください。
8:30~9:00   出勤
9:00~13:00   個別支援計画書に基づいた支援、保育、モニタリングなど
13:00~14:00  休憩
14:00~17:00  個別支援計画書に基づいた支援、保育、地域支援など
17:00      退社
療育の現場では、理学療法士としての仕事以外に通常保育などを兼業する場合もあります。食事や着替え、トイレなどの介助を行うケースも少なくありません。

勤務時間や担当する業務内容については施設によって差があるため、事前に細かく内容を確認しておくのがよいでしょう。

理学療法士が療育業界で働くメリット・デメリット

療育業界が理学療法士を求めているのは分かりましたが、理学療法士にとってはどんなメリットがあるのでしょうか。また、デメリットが無いのかも気になる所です。

続いては、理学療法士が療育業界で働くメリットやデメリットを紹介していきます。

メリット

理学療法士が療育業界で働くメリットは以下のとおりです。

理学療法士としてのスキルアップに繋がる

発達障害の子ども達を支援していると、運動発達の課程を細かく観察することができます。発達の課程を知ることは、理学療法士の知識としてとても重要なポイントと言えるでしょう。

人が基礎動作を習得する課程を実際に指導・観察して理解することは、理学療法士としてのスキルアップにも繋がります。基礎動作の根幹を深く理解できれば、他分野の患者を対応する際にも、きっと大きな力となって役立つことでしょう。

子どもの成長に寄り添って伸び伸び働ける

病院などでリハビリを担当していると、日常生活に少しでも早く戻れるようにと患者も理学療法士も必死になって取り組むことが多いです。慌ただしく毎日を過ごしている理学療法士も多いのではないでしょうか。

療育では、あくまで子どものペースに合わせて支援を行うことが重要と考えられています。担当の子どもの成長を見守りながら寄り添う様な支援を行えるのは療育業界ならではとも言えるでしょう。

保育業務などを行うこともあるため、特に子ども達と過ごす時間も長く親密な関係性を得ることもできるかもしれません。

やりがいのある仕事ができる

児童発達支援では、通常のリハビリなどと異なりエビデンスをベースとして支援するケースが少ない傾向にあります。経験則に基づくやり方も多く、著名な人物の提唱する手技に頼ることも多いでしょう。

しかし、その分理学療法士の働きかけで療育の在り方を変えることができる可能性もあります。連携をとってデータを蓄積し、理学療法士の目線でエビデンスを作り上げるなど療育の新たな形を提案してみてはいかがでしょうか。

これは理学療法士にしかできないです。やりがいや成果を求めて仕事をできるという点で、大きなメリットと言えます。

デメリット

療育業界では経験則が重視されることは、理学療法士にとってデメリットと言えるでしょう。医学的なエビデンスを元に理学療法取り組んできたやり方とは全く違う方法を求められて戸惑うこともあります。

特に今後医療施設や企業理学療法士などへの転身を見据えている場合は、エビデンスを元にする基本的な理学療法のやり方を忘れないよう注意が必要です。

療育に向いている理学療法士の特徴

以下のような特徴を持つ人は、特に療育業界で理学療法士として活躍してみてはいかがでしょうか。

子どもが好きな人

療育では子ども達の支援を主に行うため、子どもが好きな人にはぴったりの業界です。幼児から高校生まで幅広い年代の子ども達を支援するため、子どもと接するのが得意な人は仕事がしやすいでしょう。

理学療法士としての仕事が好きな人

療育における理学療法士の役割は、まさに理学療法における根幹となる部分です。発達を観察しながら基礎動作に対する支援を行うなど、理学療法士としての根本的な仕事が求められます。

人の役に立つことが好きな人

日々成長する子ども達の中には、発達が遅れていることで俯いてしまう子もいます。そんな子どもの手をとり支援している中で、笑顔が生まれできなかったことができるようになった時、理学療法士としてのやりがいや喜びを感じることができるでしょう。

また、子どもだけでなく保護者にも喜んでもらえれる仕事でもあります。人の役に立つ支援がしたいという人に、療育業界がおすすめです。

療育業界で理学療法士として活躍しよう

理学療法士の仕事や療育業界について紹介してきました。発達障害の診断数が増える中、理学療法士はこれからも療育業界で求められる可能性が高いでしょう。

子ども達を支援するためには、専門的な知識や技術を持つ理学療法士を必要とするシーンもあるでしょう。ぜひ、療育業界で子ども達やその家族を支援してみませんか?
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