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療育では必須?放課後デイサービスで使える連絡帳の書き方ポイントや必要性を徹底解説

療育における連絡帳の必要性

療育施設と家庭で、利用者の様子を伝え合う連絡帳。子ども達の事業所での様子を伝える「付加価値のサービス」だと思っていませんか?

放課後等デイサービス(放デイ)や児童発達支援事業(児発)などの療育施設ではサービス提供記録の保管が義務付けられています。連絡帳は適切に記載していればサービス提供記録として認められるため、療育施設にとって必要なものなのです。

サービス提供記録とは以下の内容を記載したものです。
  • サービス利用日の利用者の様子
  • 共有情報
  • 利用者に見られる変化の確認
療育施設では、これらの内容が記載されたサービス提供記録を開示し、署名や捺印などで保護者が確認した記録を保管する必要があります。

実地指導では必ずといって良いほど、サービス提供記録についての確認が行われます。

サービス提供記録の保管義務を怠っている場合、報酬算定にも影響を与える可能性があるため注意が必要です。また、第三者に分かりにくい内容や、あまりに誤字脱字が多い場合、過剰・不適切な表現なども指導対象となる場合があります。

療育の仕事については以下のコラムでも詳しく紹介しています。
療育の仕事について知りたい人はぜひ参考にしてみてください。


【療育の仕事内容ってどんなもの?一日の流れや支援に必要な資格とは】のページはこちらをクリック

育児や療育に良い影響が期待できる連絡帳の存在

療育施設からすると、連絡帳はサービス提供記録としての役割を持っていますが、保護者にとっては違う一面を持っています。

発達障害児のなかにはコミュニケーション能力の発達に遅れが見られるケースが多く、保護者は療育施設でどのように過ごしているのか知る術がないケースも少なくありません。特に、保護者が同伴しないケースが殆どである放デイでは「何をして過ごしているんだろう?」「今日はどんなことがあったんだろう?」と子どもの生活が気になっている人もいるでしょう。

そんな時、連絡帳を使って利用者の様子が分かれば安心感や施設への信頼感に繋がります。

また、連絡帳を使えば発達障害児の育児についての悩みを、療育のプロフェッショナルに気軽に相談できるメリットもあります。発達障害児だけでなく、その家族までサポートする療育の目的を十分に果たしていると言えるのではないでしょうか。

利用者にとっても「自分の連絡帳を管理・提出する」という役割は、発達に良い影響を与えることが期待できます。保護者から預かった連絡帳を施設で提出することで自分に与えられた役割を遂行することや、連絡帳を適切に管理することなどを覚えるきっかけになります。

連絡帳に記載する内容とは

療育業務の経験者であれば、施設によって多少内容が違うものの、連絡帳にどのような内容を記載するのか分かるという人もいるでしょう。しかし、初めて療育業界に飛び込む人からすれば「連絡帳って何を書くの?保護者からはどんなことを書かれるの?」と疑問を覚える人もいます。

連絡帳を書くポイントを紹介する前に、連絡帳にはどのような内容が記載されているのか紹介します。

保護者から療育施設に向けて連絡帳に記載する内容

保護者から療育施設に向けて連絡帳に記載する内容は以下のようなものが多いです。
  • 保護者から療育施設への連絡事項
  • 自宅で過ごしている様子
  • 発達障害児の育児に関する悩み
  • 療育に関する疑問
  • 閲覧したことを証明する自署または捺印
サービス提供記録としては、保護者からの記載事項は必須ではありません。しかし、発達障害児の育児をするなかでの悩みを気軽に相談できるように、ここで紹介したような項目を記載してくださいと説明する療育施設が多いようです。

閲覧したことを証明する自署または捺印はサービス提供記録として保管するなかで必要なので、保護者にも忘れないよう重々説明しておくとよいでしょう。

療育施設から保護者に向けて連絡帳に記載する内容

療育施設から保護者に向けて連絡帳に記載する内容は以下のようなものが多いです。
  • 療育中の利用者の様子
  • 利用者の変化
  • 職員や友達と過ごしている様子
  • 利用者の施設での過ごし方で気になる様子
  • 保護者からの相談へのレスポンス
  • 療育施設から保護者への連絡事項
サービス提供記録として保管するうえで療育中の利用者の様子はとても重要な内容です。「楽しそうに取り組んでいた」などの印象だけでなく「〇〇をできた」など目標を達成できているのか分かる内容を記載すると良いでしょう。モニタリング時に参考となる内容を記載することを心掛けてみてください。

【放デイ・児発におすすめ】限られた時間で利用者の様子が伝わる連絡帳を書くポイント

連絡帳は利用者が入所してから退所するまでの間に記載する必要があります。児発や放デイは利用者の滞在時間が短いため、限られた時間内での記載が求められます。

さらに、連絡帳は毎回同じ内容を記載すればよいという訳ではありません。利用者がどのように施設での時間を過ごしているのかを保護者に伝え、尚かつサービス提供記録となるような内容を記録する必要があります。

続いては、児発や放デイ従事者におすすめの、限られた時間で利用者の様子が伝わる連絡帳を書くポイントを紹介します。

ポイント1.幅広い発達障害に関する知識を持っておく

療育に携わるうえで、知識の有無は利用者との向き合い方に大きな変化をもたらします。発達障害に関する深い知識を持って行う療育は、知識を持たずにただ計画通りに行う療育に比べてたくさんの発見があるでしょう。

連絡帳では、そんな発見を記載します。

事前に十分な発達障害に関する知識を持っておけば、療育従事者としてさまざまな気付きを得られるため、連絡帳もスムーズに書きやすくなるでしょう。

ポイント2.5W1Hを意識して書く

5W1Hとは、分かりやすい文章構造を表す言葉で、以下の6つの要素を示しています。
  • When(いつ)
  • Who(誰が)
  • Where(どこで)
  • What(何を)
  • Why(なぜ))
  • How(どのように)
これらの情報が組み込まれている文章は、情報が理解しやすいと言われています。必ずしも5W1H全ての要素を組み込む必要がありませんが、なるべく意識して組み込むと保護者にとって、利用者の状況が伝わりやすい文章を作れます。

ポイント3.テンプレートを作っておく

限られた時間のなかで連絡帳に記載する内容を1から精査していると、どうしても時間がかかってしまいます。そこでおすすめなのがテンプレートを作っておく方法です。

テンプレートと言っても、定型文を作ってしまうと、連絡帳は本来の役割を果たせないまま無駄な習慣になってしまうので注意してください。

ここで言うテンプレートとは、連絡帳に書く内容を大まかに決めておく方法です。書く内容が最初から決まっていれば、スムーズに記載しやすくなります。

テンプレートはあくまでテンプレートとして捉え、保護者からの相談があった際にはレスポンスを組み込むなど、臨機応変に対応することも大切です。

ポイント4.他のスタッフと情報共有しながら記載する

集団療育では、たくさんの利用者とさまざまなプログラムに取り組みます。そのなかで、1人のスタッフが全ての利用者の隅から隅まで観察するのは至難の業です。

そこで重要なのが、スタッフ間の情報共有です。利用者についての情報をスタッフ間で共有しておくことで、連絡帳の担当スタッフの目が届かなかったとしても、保護者に利用者の様子を伝えることができます。

逆に、情報共有が徹底されていなければ、連絡帳の担当スタッフは「何を書けばいいんだろう」と悩み、なかなか筆が進まず当たり障りのない内容しか記載できなくなります。

限られた時間で適確な内容を記載するためにも、スタッフ間では些細な事も情報共有するようにするのがおすすめです。

ポイント5.後回しにしない

療育従事者の仕事は連絡帳を記載することだけではありません。送迎やプログラムの準備・実施・後片付け、休み時間もトラブルがないよう利用者を見守る必要があります。

連絡帳は、さまざまな業務の合間に記載します。「ある程度まとまった時間がとれるタイミングで連絡帳を書こう」なんて思っていると、「〇〇さん退所時間だけど、連絡帳はもう書けてる?」なんて事になりかねません。

連絡帳は後回しにせず、プログラムが終わればすぐに記載するようにしましょう。その後に連絡帳に記載したい内容が出てきた場合には、追記すれば良いだけのことです。

他のスタッフとも連携し、連絡帳を書く時間を捻出することも重要です。

療育施設で連絡帳のやり取りをする際の注意点

連絡帳を使用して保護者とやり取りをする場合や、連絡帳をサービス提供記録とする場合には気を付ける点がいくつかあります。

続いては、連絡帳に関する注意点を紹介します。

文章が正しく伝わる内容か最後に見直しをする

連絡帳は最後に必ず見直しをしましょう。文章で状況や考えを伝える際、些細な表現の違いで真意が正確に伝わらないこともあります。

保護者に誤った受け止められ方をしてしまうと、時には信頼を失ってしまうこともあるでしょう。

経験が浅い内は、先輩スタッフに最終確認をしてもらうのがおすすめです。

トラブルに関しては口頭でも伝える

来所中のケガなどのトラブルに関しては、連絡帳に記載する場合でも合わせて口頭で説明することが大切です。

保護者は利用者が安全に療育を受けられることを望んでいます。そのなかで、時には怪我をしてしまうこともあるでしょう。

しかし、連絡帳に「怪我をしました」とだけ記載されていると「何が原因で怪我をしてしまったの?どんな状況で?どんな対応をしてくれたの?」と気になってしまいます。こうしたトラブルの原因を文章として記載するのは大変難しいです。

送迎の際や電話で伝えるなど、怪我などのトラブルに関する報告は必ず口頭でも伝えるようにしてください。

クレーム対応については以下のコラムでも詳しく紹介しています。
クレーム対応ついて知りたい人はぜひ参考にしてみてください。


【保護者からのクレーム対処法】のページはこちらをクリック

サービス提供記録として事業所内で記録を保管す

連絡帳をサービス提供記録として保管する場合、複写式にして事業所内で複写したものを保管する必要があります。

連絡帳自体を保管しても良いのですが、万が一連絡帳を紛失してしまった場合はサービス提供記録を失ってしまうことになります。保護者に自宅での連絡帳の管理を徹底してもらうことも大切ですが、万が一の場合に備えておきましょう。

【こんなやり方も】児発・放デイの連絡帳アプリを使った最新事情

連絡帳をサービス提供記録として保管する場合、複写した記録の保管や保管場所の確保などさまざまな問題が出てきます。

そこで、近年注目を集めているのが、アプリを使った連絡帳です。

連絡帳アプリを利用することでペーパーレス化し、事業所のパソコンやクラウドなどにサービス提供記録を保管することができます。また、スタッフにとってもデバイスで入力することで「この言葉の漢字ってどう書くんだっけ?」などと考える時間がなくなり、時短にもなるでしょう。

保護者も連絡帳を記載する際に、デジタル入力できることで負担が軽減し、アプリによっては写真を添付できるものなど利用者の様子が伝わりやすいメリットもあります。

連絡帳で療育施設と家庭を繋ごう

療育スタッフにとって悩みの種になりがちな連絡帳ですが、少しのポイントを押さえることで手早く充実した内容が書けるようになります。

利用者の変化や成長を保護者と共有し、施設でも家庭でも健やかな発達を支援するアイテムとして、連絡帳を上手に活用してみてください。

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