1. TOP > 
  2. 療育の転職コラム > 
  3. 療育の転職 > 
  4. 保育士の新しい求人「療育保育士」とは?仕事内容や資格・療育保育園についても紹介

保育士の新しい求人「療育保育士」とは?仕事内容や資格・療育保育園についても紹介

保育士の療育については以下のコラムでも詳しく紹介しています。
保育士の療育について知りたい人はぜひ参考にしてみてください。


【保育士が療育をするメリットとは?発達支援との違いや必要資格・仕事内容なども徹底解説】のページはこちらをクリック

療育って何をするの?

厚生労働省のガイドラインによると、療育は以下のように定義されています。
"児童発達支援は、障害のある子どもに対し、身体的・精神的機能の適正な発達を促し、日常生活及び社会生活を円滑に営めるようにするために行う、それぞれの障害の特性に応じた福祉的、心理的、教育的及び医療的な援助である。”

引用元:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000171670.pdf
療育分野への転職を検討している保育士に知って欲しいのは「療育は発達障害を治す取り組みではない」という点です。療育において、重要とされるのは発達障害を持つ子ども達が生きづらさを減らせるよう、発達障害の特性との付き合い方を教えることです。

発達障害を無くす・改善するのではなく、発達障害を持ちながらもできる限り快適に社会生活を送れるよう、苦手な事との向き合い方を訓練します。

改めて考えてみると、全く何もできない赤ちゃんの頃から就園している保育園児にトイレの仕方、食事の仕方を教え、小学校への就学に向けて集団に合わせること、カンタンな勉強を教えることなど、子どもが快適に学校生活を送れるよう育むことと通じる部分が多いです。

もちろん、発達児童児へ向き合うための知識などは必要ですが、保育士と療育は理解できる部分や受け入れやすい面が多くあります。

保育士に求められる療育の分野とは

療育は基本的に療育施設で行われるものだと思っていませんか?実際に、保育園に在籍しながら週に数日は療育施設に通っているという園児を保育したことがある方も多いでしょう。

本来、児童発達支援(療育)は療育施設以外の保育所、幼稚園、学校等でも行う必要があると学校教育法によって定められています。

さらに、文部科学省では幼稚園や保育園、学校において特別支援教育コーディネーターの配置を推奨しています。
特別支援教育コーディネーターとは、発達障害を持つ子どもたちやその保護者・関係者に対して、園や学校側の窓口となる役割です。
また、発達障害や発達グレ-ゾーンの子ども達が、快適に学校生活を送れるようサポートする役割もあります。

一般的な保育園、幼稚園、小学校などでも療育の知識が求められる時代になっているのです。すでに小学校では、ほぼ全ての学校に特別支援教育コーディネーターが配置されています。

保育士が発達障害を疑う際の対応については以下のコラムでも詳しく紹介しています。
保育士が発達障害を疑う際の対応について知りたい人はぜひ参考にしてみてください。


【保育士が発達障害を見つけた時どうやって療育に繋げる?子どもと支援を繋ぐ方法】のページはこちらをクリック

保育士の求人で注目されている「療育保育士」とは

近年、保育士の求人で注目されている「療育保育士」。実は、療育保育士という職業はなく療育施設で働いていたり、療育分野に長けた保育士がこのように名乗っているようです。

しかし、保育士資格所持者を対象にした求人を出している療育施設は多く、療育保育士は需要が高いことが伺えます。

保育のプロとして療育が必要な子どもたちをサポートして欲しいと、好待遇での求人も多くあります。

療育保育士の求人には資格が必要?

療育を行うにあたって、特別な資格は必要ありません。
とは言え、発達障害をはじめとする特性を持つ子ども達を保育・療育するため、保育士や児童発達支援士などの資格を重視する施設も少なくありません。

保護者にとっても、保育や発達障害に関する専門的な知識を持つ人なら安心して子どもを任せやすいということでしょう。

もっておくと有利な資格はある

療育に関する資格の多くは、民間が主催しているものです。絶対に必要な訳ではありませんが、以下の資格を取得していると就職時の条件面で有利になる可能性があります。

・児童発達支援士
・発達障害児支援士資格
・子ども発達障がい支援アドバイザー

もちろん、保育士の資格所持者を求めている療育施設なども多いため、保育士というだけでも条件面での好待遇が期待できます。

保育士の実務経験を活用できる資格もある

療育保育士としてキャリアアップを目指したいという人は、早期発達支援士の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

早期発達支援士の受験資格には、保育園、幼稚園、学校などの400時間以上、5年間の実務経験が必要です。

5年以上保育士として勤務経験がある方なら、資格取得に挑戦できます。保育士としての経験を活かして取得できる資格なので、療育保育士を目指すという人はぜひ、検討してみてください。

療育保育士の求人とは

続いては、療育保育士の求人について紹介します。

療育保育士の求人は「児童発達支援事業所」「放課後等デイサービス」「児童発達支援センター」などから出ることが多いです。
それぞれの違いや特徴についてみていきましょう。

児童発達支援事業所

児童発達支援事業所は、企業やNPO団体などが運営している事業所です。民間企業として運営されており、施設ごとにさまざまな療育を行っています。

運動療育や音楽療育など、それぞれの特色を持っており、保護者や本人が好みの施設や通所日、通所回数などを選べるのも児童発達支援事業所の特徴です。

保育園や幼稚園と併用して療育を行っている場合、児童発達支援事業所を利用していケースが多いでしょう。

児童発達支援センター

児童発達支援センターは、地域によって「発達支援センター」「子ども発達支援センター」「発育センター」「療育センター」などと呼ばれることもあります。

児童福祉施設と定義されており、自治体などが管轄している施設です。1つの自治体に1~2施設ほどがあり、通所支援の他にも、保育所訪問支援や障害児相談支援などを行うのが特徴です。

さらに、児童発達支援センターには福祉型と医療型があり、指定医療機関と連携した医療型児童発達支援センターでは、医療を伴う支援に対応しています。

3歳(幼稚園年少相当)~就学前までの子どもが通所対象ですが、1~2歳の子どもも週に2~3日など親子での通所が可能です。ただし、3歳以上になると障害者手帳などが必要となる自治体もあります。

基本的に、幼稚園や保育園の変わりに通う療育施設と考えてよいでしょう。

放課後等デイサービス

放課後等デイサービスは、小学生以上の年齢を対象にした療育支援施設です。高校生まで通うことができ、放課後や夏休み・冬休みなどの長期休暇中に通所して療育を行うこともあります。

保育園や幼稚園

文部科学省が特別支援教育コーディネーターの配置を推奨していることもあり、今後療育保育士は一般の保育園・幼稚園からの求人が高まることも予想されます。

療育施設でのキャリアは、一般的な保育園や幼稚園でも活かすことができるようになるでしょう。特に、保育園、療育施設両方の実務経験を持つ療育保育士は今後需要が高まるのではないでしょうか。

【療育保育士を目指す人必見】保育園と療育施設の働き方の違い

保育士の新しい働き方に興味を持ったものの、「療育施設ってどんな風に仕事をするんだろう」と不安になる人もいるでしょう。

療育施設では、子ども達の特性を理解しながら日常生活をサポートします。「特性の理解」という部分がなければ、通常の保育園とよく似た業務内容です。その中で、特性を理解しながら保育・療育するために、療育施設と保育園では以下のような違いがあります。

専門スタッフと連携して子どもをサポートする

保育園では、主に保育士が主導で子ども達の保育を行います。園によっては栄養士や看護師などが在籍していることもありますが、それぞれの専門分野に分かれて子ども達に関わることが多いでしょう。

療育施設では、医師、保育士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、言語療法士、臨床心理士、児童指導員、介護福祉士など、さまざまな専門分野を持つスタッフが在籍(または臨時在籍)しています。これら全ての専門職員が在籍している施設は少ないですが、その場合は外部の専門職員と連携をとって子どもの特性に合わせた療育プランを考えるのが一般的です。

「療育について全く知らなくても療育保育士になれるの?」と不安な人でも、専門スタッフとの連携によって療育に携わることができます。

小人数制

発達障害を持つ子ども達は、通常の保育園や幼稚園などで「少し変わった子」「手のかかる子」などと評されることがあります。
想像してみてください。受け持ちクラスの子ども達全員が「少し変わった子」「手のかかる子」だとしたら?

正直に「対応できる訳ない」と思う人がほとんどでしょう。
保育士の配置基準は3歳クラスで保育士1人に対して園児20名です。20名の療育を1人で行うなんて、どれだけベテランの療育スタッフでも始める前から「無理です」と言うでしょう。

療育施設では特性を持つ子どもをしっかりフォローするために、保育園などと比べると少人数制です。療育施設で言われる「集団」はせいぜい8~10人程度。さらに集団保育には保育士や児童指導員などのスタッフが2~3名配置されるのが一般的です。

また、少人数クラスだと2~3人であることも。場合によっては、子どもとスタッフがマンツーマン(1対1)で療育を行うこともあります。

きめ細やかさが求められるからこそ、療育は基本的に少人数制です。

施設外での業務が発生することもある

児童発達支援センターで働く場合、地域の保育園などに赴いて施設との連携をとる業務が発生することもあります。

外部への訪問業務は、基本的には勤務年数が長かったり、発達障害に深い知識を持つ職員が派遣されるケースが多いです。
しかし、保育の現場を知っている療育保育士であれば保育と療育の両面から考え、より強固な連携をとれる可能性もあります。

生きづらさを感じる子ども達の苦悩と、扱いずらい子どもの保育に戸惑う保育士の苦悩を理解してあげられる療育保育士は、施設と地域の保育園を繋ぐのに欠かせない存在となれるかもしれません。

給与

近年、保育士の低賃金が問題となっています。保育士の待遇をよくしようという取り組みは行われているものの、不十分であると言わざるを得ません。

2021年に行われた企業調査によると、保育士の給与は15~20万円であると回答した人が全体の35.4%を占めました。続いて20~25万円との回答が17.0%、5~10万円との回答が16.5%となっています。
※参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000008376.html

賞与などもプラスすると、保育士の年収は280~350万円程がボリュームゾーンだと考えられます。常勤・非常勤・パートなど働き方の違いがあるとは言え、充分な給与であるとは言い難いでしょう。

一方、療育保育士として就職する場合、とある求人例を見てみます。
ケース1(東京)
要保育士資格
5年以上の勤続経験有り
 月給255,000円~
勤続経験不問
 月給241,000円~
※賞与有り

ケース2(埼玉)
要保育士資格
月給220,000円~
※賞与有り

ケース3(神奈川)
要保育士資格
月給190,000円~270,000円
基本給180,000円
※年1回昇給あり
これらは療育施設の求人の一部です。
さらに、児童指導員や児童発達支援士、早期児童発達支援士の資格などを取得するとキャリアアップも期待できます。

地域によって給与額については差があり、都市部が高く沖縄、九州、中国地方は比較的低くなっている傾向にあります。

療育保育士の求人を探そう

保育士としてのキャリアを活かしながら、「子どもに関わる仕事をしたい」という人におすすめの療育保育士という働き方を紹介しました。

「療育」と聞くだけで、全く別のジャンルに飛び込むように感じる方も多いですが、保育士としてのスキルを充分に活かすことができるお仕事です。

保育士を必要とする求人や、自分に合った療育施設を探すなら無料でコーディネーターに相談できる「療育biz(ビズ)」がおすすめです。これまでの経歴、新しい職場への希望などをコーディネーターに相談して、ぴったりの療育施設をマッチングしてもらってはいかがですか?

療育bizは、全国に対応している療育専門の転職サイトです。
療育業界出身のコーディネーターが最適な求人のご提案をさせて頂きます。

お気軽にお問い合わせください

求人を提案してもらう(無料)