教員免許をお持ちの方は、教師として働くことが当たり前と考えているかもしれません。しかし教員免許の需要は、さまざまなところからあります。特に福祉の分野では強く、要件を満たせば児童発達支援管理責任者にもなることができます。今回は教員免許をお持ちの方におすすめの職業、児童発達支援管理責任者の仕事を解説している記事です。求人例も掲載します。今の働き方に悩んでいる方は、新たな可能性を見つけませんか？

教員免許をお持ちの方は、その資格を活かせていますか？教員免許を活かせる仕事はさまざまですが、あまり知られていないものが児童発達支援管理責任者です。児童発達支援管理責任者は児童福祉の現場で、障がいを持つ子どもの療育にかかわる仕事をします。同じ教育の分野でも、障がいを持つ子どもが相手となるため、業務は少し変わります。コミュニケーションが難しい等の困難はありますが、その分やりがいのある仕事です。教員は向いていないけど、児童発達支援管理責任者として活躍できる方もたくさんいます。現在の働き方に悩みがある方は、新たな可能性を開拓しましょう。

児童発達支援管理責任者は放課後等デイサービス等の事業所で、責任者として働きます。具体的にどのような場所でどのような仕事をするのか、以下で解説します。児童発達支援管理責任者の資格に興味がある方は、今からイメージをつけましょう。

児童発達支援管理責任者のメイン業務は、個別支援計画の作成と見直しです。子どもそれぞれにあった、個別支援計画を策定し、実行し、定期的に見直す。この作業を繰り返しながら、子どもの目標達成に向けて一緒に歩みます。具体的には以下の流れで業務を行うことが一般的です。

1,アセスメント
2,個別支援計画の策定
3,支援計画の実施
4,個別支援計画の交付
5,個別支援計画を実行
6,中間評価の実施
7,個別支援計画の修正
8,終期評価

このような流れで、相談、個別指導、相談、管理者業務をすべてこなします。細かい業務内容は、職場によって変わるため求人を丁寧に確認してください。

児童福祉法に定められた施設には、必ず1名以上の児童発達支援管理責任者が必置です。したがって児童発達支援管理責任者は、そのような事業所に配置されます。児童福祉法に定められた施設は大きく2種類に分類されます。1つが通所系、もう1つが入所系です。通所系は放課後や学校の休日を使って、子どもの療育をする場所です。具体的には以下の場所ではたらきます。
・児童発達支援センター
・児童発達支援事業類型
・医療型児童発達支援
・放課後等デイサービス
・保育所等訪問支援

入所系は障がいを持つ子どもを保護し、日常生活や知識の指導をします。入所系は障害児入所施設と呼ばれ、福祉型と医療型に分かれていることが特徴です。重症心身障害児や肢体不自由児等、医療的なケアが必要な子どもは、医療型でケアをします。入所系の施設例は以下の通りです。
・知的障害児施設
・第一種自閉症児施設
・第二種自閉症児施設
・盲児施設
・ろうあ児施設
・肢体不自由児施設
・肢体不自由児療護施設
・重症心身障害児施設

施設によって労働時間や子どもの状態も変わります。ご自身がどのような働き方を希望するのかを考え、職場を決めるとよいでしょう。

児童発達支援管理責任者として働く場合、どのような一日を過ごすことになるのでしょうか。放課後等デイサービスで働く場合を紹介します。

09：30　出勤
09：45　朝礼
10：00　事務作業、準備作業、個別支援計画作成、保護者と面談、関係者と打合せ
12：00　昼休憩
13：00　送迎
14：00　療育サポート、事務作業
17：30　送迎フォロー、保護者対応
18：00　終礼・会議・掃除等
18：30　退勤

以上が一般的な流れです。放課後等デイサービスは、子どもの療育は午後の時間になるため、朝は事務作業がメインです。体力的に自信がない方も、放課後等デイサービスではある程度余裕をもって働けます。主に指導をする役割を果たすのは児童指導員のため、子どもが来てからも自分自身はサポート役に回ります。その他にも保護者や関係者との打合せ等が大切な業務です。児童発達支援管理責任者の仕事のイメージはつきましたか？

児童発達支援管理責任者で働くことを考えるとき、最も気になるのが年収ではないでしょうか。児童発達支援管理責任者の金銭事情を、細かく解説します。児童発達支援管理責任者は正規雇用だけでなく、パートやアルバイトの人も多くいます。それぞれの給与平均は以下のとおりです。

パート・アルバイトの平均時給：1,408円
正社員の平均月給：29万589円
正社員の平均年収：406万8,246円

児童発達支援管理責任者は責任が伴う分、福祉職のなかでも高い水準です。厚生労働省調査によると、児童指導員の平均月収は27万5,000円程度。児童発達支援管理責任者は児童指導員のキャリアアップ先としても考えられています。

参考:国税庁の民間給与実態統計調査 厚生労働省の賃金構造基本統計調査 公務員データ統計調べより

児童発達支援管理責任者への転職がおすすめな理由として、1つ将来性の高さがあります。児童発達支援管理責任者は長く続けていくことができる仕事です。そんな児童発達支援管理責任者の将来性を詳しく解説します。

児童発達支援管理責任者の需要が高まっていますが、その理由の1つとして発達障害児の増加が考えられます。現在は40人クラスのうち3人程度は発達障害を持っているといわれています。単純に発達障害児の数が増えたというより、認知度が上がっていることが増加の要因です。発達障害児は生まれつき脳の働きが異なる状態で、一人ひとり症状が異なります。個別のケアを徹底し、多くの子どもが社会に羽ばたけるよう支援してあげる必要があります。このように発達障害児の認知が広まるとともに、児童発達支援管理責任者の必要性も高まっている状況です。

平成29年に国は、児童発達支援管理責任者にこれまで以上の専門性を求める方針を打ち出しました。ゆえにこれまではみなし児童発達支援管理責任者として認められていた者も、研修を受けなければ認定されないシステムになりました。この変更のため、各地で児童発達支援管理責任者が不足している状況です。反対に発達障害児が増加していることもあり、事業所の数は増えています。このような状況から、児童発達支援管理責任者の需要は高まり、売り手市場です。この状況はしばらく続くと考えられます。価値が高まっている職業のため、これから目指す人もまったく問題はありません。

児童発達支援管理責任者の専門性の強化や需要増加という背景もあって、給料は上昇傾向です。ニューオープンの事業所は、必ず児童発達支援管理責任者を探さなければならないため、高額の給与を提示しているところもあります。児童発達支援管理責任者に転職を考えている方は、経験が浅くても好待遇が期待できます。

児童発達支援管理責任者になるためには、一定の要件を満たさなければなりません。具体的には、以下の通り職務経験と研修が必要です。

・相談支援業務：福祉施設で5年以上の職務経験があり、そのうち3年以上は障害者児・児童生徒関連施設であること
・直接支援業務：福祉施設で5年以上の職務経験があり、そのうち3年以上は障害者児・児童生徒関連施設であること
・基礎研修の終了

このように厳しい要件が設定されているため、児童発達支援管理責任者になることは難しいと考えられています。ただし教員免許があれば、児童指導員として相談支援業務の職務経験とみなすことができます。5年の職務経験と研修の終了で、児童発達支援管理責任者になることが可能です。通常の学校では大勢の子どもを相手にしなければいけません。したがって一人ひとりをしっかりケアすることは難しいですが、障害者支援の分野はより密接な関係で関わることができます。そのような仕事がしたい方は、教員免許を活かして児童発達支援管理責任者になってみませんか？

※ここで、1 年以上の実務経験とは、業務に従事した期間が 1 年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が 1 年あたり 180 日以上であることを言うものとします。例えば、5 年以上の実務経験であれば、業務に従事した期間が通算して 5 年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が 900 日以上であることを表しています。

児童発達支援管理責任者の求人例を紹介します。すべて療育bizで取り扱っている求人です。児童発達支援管理責任者の仕事のイメージを付けたい方も、実際に就職活動を始めている方も、求人例を参考にしてください。

京都市内に6校の放課後等デイサービスを運営しています。子ども一人ひとりの得意・苦手を見つけ、それぞれの特性に応じた療育を実施中。
子どもたちの「第二のおうち」をつくっていきませんか？

【仕事内容】
・心や身体、生活面において課題のある子どもたち（小1〜高3）への支援と指導
・子どもとその保護者のニーズをヒアリングし、子どもの特性にあった療育内容の立案と評価
・個別支援計画の作成及び管理
・半年ごとのモニタリングと評価
※転勤の可能性あり（京都市内他事業所）
【給与】
【正職員】 月給 235,000円 〜 258,400円

給与の内訳
・基本給　158,400円
・職能手当　1,600〜20,000円
・資格手当　60,000円
・固定残業代　15,000〜20,000円（時間外労働の有無にかかわらず支給。12時間超過分は追加支給）
皆勤手当　5,000〜16,000円/月
ドライバー手当　3,000円/月（社内規定あり）
通勤手当実費支給　上限30,000円/月
昇給　1,000〜10,000円/月（実績）
賞与　年2回・100,000〜300,000円（実績）
裁量労働制なし

【勤務時間】
変形労働時間制（1年単位）
(1)9:00〜19:00　休憩120分
(2)10:00〜19:00　休憩60分
(3)11:00〜20:00　休憩60分
（1)〜(3)のシフト制
時間外月平均8時間

【休日】
育児支援あり
会社カレンダーによる
年間休日105日
◆長期休暇
6ヶ月経過後の年次有給休暇日数　10日
年末年始・夏季
育児休業取得実績あり

【応募資格】
自動車運転免許
児童発達支援管理責任者
年齢制限〜59歳（定年を上限）
学歴不問

発達に凸凹がある子どもたちを対象に、児童発達支援・放課後等デイサービス事業を行っています。「運動は子どもの発達に大きな好影響がある」と考え、運動療育に特化しています。施設のリーダーとして活躍しませんか？お子さま一人ひとりとコミュニケーションをはかる中で、日々成長を実感できる“感動”と “やりがい” のあるお仕事。

【仕事内容】
オープン3年以内
児童発達支援・放課後等デイサービスでの児童発達支援管理責任者業務

【給与】
【正職員】 月給 300,000円

賞与　年2回目安（実績や業務による）
通勤手当　上限20,000円/月(これ以上も相談可）
試用期間3ヶ月（条件変更なし）

【勤務時間】
残業ほぼなし
シフト制
1）9:00〜18:00（土曜/祝日/長期休暇、休憩60分）
2）9:30〜18:30（上記以外平日、休憩60分）

【休日】
週休2日制（日曜＋週1日）、年末年始、有給休暇
◆長期休暇
年末年始
有給休暇

【応募資格】
未経験可
ブランク可
年齢不問
学歴不問
即日勤務OK
40代活躍
50代活躍
児童発達管理責任者の要件を満たす方

開所したばかりの新しい放課後等デイサービスです。
ジーニアス・スタディ緑校では、学習に必要な「ワーキングメモリ」を育てます！
教育、保育でのご経験がある方を募集中！

【仕事内容】
新規オープン
オープン3年以内

児童発達支援管理責任者として
・ご家族様との面談
・個別支援計画・アセスメントシートの作成
・施設の売り上げ管理
・スタッフの勤怠管理
・その他　施設管理全般

【給与】
【正職員】 月給 300,000円 〜 350,000円
基本給：246,000円〜287,000円

【勤務時間】
9:00〜19:00（シフト制による実働8時間）
休憩時間 1時間
平均残業15時間/月

【休日】
週休2日
8〜9日/月（シフト制）
年間112日
◆長期休暇
長期休暇、年末年始休みあり（12/30〜1/3）

【応募資格】
未経験可
ブランク可
自動車運転免許
サービス管理責任者
学歴不問
1.普通自動車運転免許
2.児童発達支援管理責任者の配置要件（以下、A~C全て）を満たしている必要があります。

児童発達支援管理責任者に興味を持った方は療育bizで求人探しをしませんか？療育bizは、療育専門の求人サイトです。療育の求人に詳しい専門のスタッフが、あなたの転職活動をサポートいたします。現職の悩みや、今後療育の分野でやってみたいことをお気軽にご相談ください。まずは求人探しからはじめてみませんか。